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【1か月遅れ】鑑賞映画レビュー 2022年11月分

11月分も1か月押し。
12月分手付かずだし、
「勝手に映画賞」に向けた集計もしてないし…。

パラレル・マザーズ(☆☆☆)
「生まれた赤ちゃんの取り違い」がテーマな一方、
今どきそんな病院の信用に関わるような大問題が簡単に起こるとは、
ちょっと思えないんだよね…。
実際、作中で病院を指弾することはほとんどないし…。
そうなると、「取り違い」の話はあくまでもおまけで、本論は「スペイン内戦」なのだろう。
ただ、そんな昔話をポッと出してきても興行的に厳しいだろうから…、
ということで「取り違い」を絡めてきたように思われる。
それが成功してるかというと…、結果的にどっちつかずな話になってしまってるのでねぇ…。

鳩の如く蛇のごとく 斜陽(☆☆)
「人間失格 太宰治と3人の女たち」で二階堂ふみが演じていた
太田静子が話を提供した「斜陽」の映画化。今作の主人公「かず子」(宮本茉由)は
太田静子がモデルであろう(まぁ、太宰の死後、それで色々あったようだが…)。
我を通すにしては、母子揃って少々世間知らずだった、としか思えないが、
国をしてある意味甘やかしていたわけだから、
戦後に至る荒波に呑まれてしまったということだろう。
静子は文筆をかじってたようではあるが、
女性が文筆家として身を立てるには、少々時が早かったかも。
内容は、おそらく小説以下なのだとは思うが、当時の世相を切り取る、
という意味では悪くない作品かも知れない。

犯罪都市 TheRoundUp(☆☆☆)
マ・ドンソクが主演、という時点でお察しな、アクション映画。
良くも悪くもそれだけ!
まぁ、派手に暴れてくれてるので、アクションに関しては文句は無し!

恋人はアンバー(☆☆☆)
学校という「閉塞的なコミュニティ」は、やはり問題があるよなぁ。
同性愛に関しては、宗教が絡んでくる話
(じゃあ日本人はなぜ嫌悪してるのか、って話になるんだが…)なので、
法律上違法でないようにしたところで、簡単に差別や偏見がなくなる話ではないわけである。
そうでなくても、周囲から「彼女できたか」「セックスしたのか」と囃し立てられるのが、
欧米の学校社会だったりするので、今作の主人公はさぞ生きにくいことだろう。
そんなわけで、同志的紐帯を結ぶわけだが、
属性的にお互いを愛することは(基本的に)できないわけだから、
いずれ別れの時が来るわけで…。
まぁ、今作はその辺りの描き方がなかなか秀逸なのではあるが、
そこに至る過程で、彼や彼女に感情移入できるかできないかが、
鑑賞上のカギになってくるだろう。
ワシとしては、まぁこのぐらいの評価ということで。

ステラ SeoulMission(☆☆☆)
盗まれたスーパーカー(ランボルギーニ アヴェンタドール)を取り返すために
主人公が駆るのは旧車、というより廃車寸前の中古車。
ただ、カーオーナーならわりと頷けるエピソードが見られる、
けっこうファンタジックな仕上がりになっており、
この辺りは同じ東アジア勢としての親和性を感じる。
韓国人にとっては、この旧車の韓国車が最新のレクサスと
伍するところにもテンションが上がるのかも。
ただ、そういう車がある意味主人公なわけだから、ドタバタコメディなのは仕方ない。

土を喰らう十二カ月(☆☆)
土井善晴が料理監修をしていることを「押し」にしてるわりには、
食事のブツ撮りにあまりこだわりが感じられないのは、
ツトム(沢田研二)が盛り付けをしてるから?
それに、途中から料理がどうでも良くなってしまうので、
じゃあドラマ部分が面白いのかというと、正直そうでもない。
ファンムービー?
ワシは思い入れのある俳優がいないので、こういうのはちょっと…。

ドント・ウォーリー・ダーリン(☆☆☆)
いろいろ前時代的な舞台なわけだが、
まぁ、公開から時間が過ぎてるのでネタバレしても良いでしょう。
要するに「マトリックス」的なバーチャルワールドなのである。
しかも、創造者の意図により、男性優位の前時代的な世界観になってるわけだが、
そんな中で女性が「覚醒」してしまったら、
しかもこの世界に来る前は伴侶に対して「女性優位」だったとしたら…。
この先は、さすがに実際観て確認していただきたい。

奈落のマイホーム(☆☆)
まずマジレスすると、500mも沈んだら、
太陽光は届かないだろうから、1日中真っ暗だと思うんだけどね…。
あと、こんなにキレイに沈むってことは、
建てる前に地下の調査全くしてなかったとしか思えないわけだが…。
その辺りを踏まえると、「セウォル号事故」なんかは、
起こるべくして起こったのかな、とか思ったりして…。
まぁ、スペクタクルはそれなりにあるものの、内容的には薄口。
興収ランキングにも疑問符が付く出来である。

ペルシャン・レッスン(☆☆☆)
相変わらず色んな形でアプローチされる「ホロコーストもの」。
まぁ、逃げ切る話を作ってれば、割とスリリングな出来にしやすいっていうのはあるけどね。
今作では「士官のペルシャ語教師」となって生き残りを図るわけだが、
そのペルシャ語というのがほぼ完全にデタラメ。
ただ、覚えておかないとウソがバレるので、主人公はその偽ペルシャ語を作るに当たって、
周りのユダヤ人の名前から引用しているのである。
そのことにより、主人公とナチス士官の行末が面白いことになるわけだが…。
仕上がりとしてはスリリングだが、
まぁホロコーストものとしては「まぁこんなもんかな」とも言える。

ある男(☆☆☆)
広告では多くを語っていない今作。
「加害者家族」や「在日」といった、日本でステレオタイプ的に語られる
これら属性から逃げるのか向き合うのか、あるいは否応なく向き合わされるのか。
12月に観た映画との兼ね合いもある話(特に加害者家族)なのだが、
結局この国には「赦し」のシステムが無いので、
前述を含む「属性」を隠して生きることが多い(孫正義みたいな例外もあるが)。
そうでなくても人手不足(というかミスマッチ)なこの国で、
今後いろいろな属性(2023年公開の「ファミリア」なんかも関連作になりそう)の
人材を活用しなければこの国は回らないところまで来ていると思うのだが、
そこに政府やお偉いさんは向き合ってるんだろうか…。

ナイトライド(☆☆☆)
たまに出てくる「ワンショット長回し作品」の一つ。
視点と時間がある程度限られるので、没入感はあるが、
セリフ回し若干説明的(主人公の思考を自ら提示する必要があるため)になるのが弱点だが、
今作は割とうまくやってる部類。
麻薬のバイニンから足を洗うために、最後の大取引を成功させようと目論む主人公。
しかし、トラブル発生で売り抜くための綱渡りを強いられることになるのだが、
とにかく電話を多用した会話劇で、その中に説明調のセリフを挟み込むことで、
テンポを落とさずストーリーを「見える化」している。
ラストまで一気に見せる勢いは、ワンショット長回しの利点なので、
そこを殺さずに見せ切ったという意味ではよく出来ている。
ただ、視点がほぼ固定なので、スペクタクルはあまり感じられないか。

タスカー(☆☆)
死にたい男と、報酬が欲しい男女の、ともに絶望から始まる物語。
手作り感あふれる作風をどう見るかもポイントだが、
それ以前にストーリーにさほど魅力を感じなかった。
何よりもあの決着の仕方である。
「三人寄れば文殊の知恵」っていう良い言葉がこの国にはあるというのに、
三人して「生きにくい」というところから抜け出せない。
生きるたくましさを見せられない所に、
この国の本当の「タスカー(ロシア語で絶望)」があるようにも思える。

ザ・メニュー(☆☆☆)
回収されてない伏線があったり、
ところどころもともとのルールと矛盾してるところがあったりと、
今作ありきなルールが少なくない。
とにかく、料理を食わせてくれるところとは思えない仕掛けが多く、
ぶっちゃけ料理はどうでもいい感じなんだよね。
人間の醜い部分を浮き彫りにする作品なんだろうけど、
まともな人間は一人もいないので、爽快感もないし…。

ザリガニの鳴くところ(☆☆☆☆)
とにかく最後まで観ていただきたい。
ラストの「しれっとどんでん返し」っぷりが尋常ではない。
まぁ、なるほど「真相は、初恋の中に沈む」とはよく言ったものである。
これ以上、あまり語りたくない。
気になった人にはぜひ自分の目でで確認していただきたいと思う。

声 姿なき犯罪者(☆☆☆☆)
韓国の「振り込め詐欺」がテーマなのだが、
さすが大陸国家の端くれだけあって、話がとにかくデカい。
円換算で日本より被害金額が1ケタ多いし、
中国から人海戦術でじゅうたん爆撃を仕掛けるような大仕掛け。
台本にも金をかけてるみたいだし、脚本家はなかなか売れっ子の模様。
今作でそれに対抗するのは、元刑事の建設作業員。
建設現場の上司や奥さんが詐欺被害に遭ったことに怒りを覚えた主人公は、
詐欺組織に潜り込み、内から復讐を果たそうとするわけだが…。
アクションもなかなか見ごたえがあるし、
駆け引きの要素も見ごたえがある。
わりと質の良いのが揃ってる韓国映画の中では、面白い部類に入る作品だろう。

愚か者のブルース(☆☆)
いやぁ~、男ってほんと~にダメな生き物ですね(淀川長治風)。
女に食わせてもらってるだけならともかく、
自分の仕事とまともに向き合わないし、
挙句の果てに浮気までするという、もう「くずオブくず」な主人公。
まぁ、「広島第一劇場」ありきの作品だから、
そこに思い入れが無いと、例えばこんな感じの感想になってしまうわけで…。

グリーン・ナイト(☆☆☆)
「円卓の騎士」のひとり、ガウェインが主人公の物語。
逸話の多い人物である一方、
ケルト時代とフランス騎士道導入後では扱いがかなり違う人物でもある。
今作は、それほどフランス騎士道の影響を受けていない、
イングランド詩人による作品だそうで、
強さと弱さを兼ね備えた複雑な人物として描かれている理由も、
その辺りが影響しているようだ。
ただ、話自体がややこしく、脈絡のない描写も散見されるので、
ワシは途中でちょっとついていけなくなってしまいました。
まぁ、基本的には「早く大人になれよ」的な話みたいなんですが…。
エッセンスとしては理解できる一方、
ガウェインの良さはある意味「大人になり切れてない所」とも思えるので、
そういう意味では彼の良さが今作ではあまり出てないような気もするんですが…。

シスター 夏のわかれ道(☆☆☆☆☆)
「今年はインド映画の年かな」と思ってたところに飛び出した、
突然の大本命中国映画。
主人公は、いろんな意味で「一人っ子政策」の犠牲者となった女の子。
「男の子大正義」な「一人っ子政策」下の中国で、
女の子が生まれてしまったものだから、
主人公の父親はあの手この手で2人目の子(今度こそ男の子欲しい欲しい)を
作れるように、娘を障害者ということにして、申請を出し続けました。
主人公の女の子は、あまり両親の愛を受けられず、
そのうち自立した女性として、看護師として病院に勤めながら医師を目指すようになります。
北京の大学院進学を目指していたある日、両親が交通事故で死亡。
親族から疎遠な弟を押し付けられることになるわけですが…。
「ワガママ」のベクトルが違う姉と弟との共同生活は、当然うまく行くはずもないのですが、
そこは何もできない6歳の弟と、一応母性はある姉。
だんだんなついて行くし、母性も芽生えてくるわけですが…。
弟はともかく、姉の方は追いかけていた夢と親族の期待の板挟みになるわけで…。
その辺の葛藤がとにかく良いわけです。
日本もそうですけど、「国によるバースコントロール」なんて、
ほんとロクなことが無いわけですよ。
中国は、日本以上のハイペースで高齢化社会化してるわけですしね。
中国の今を見事に活写した傑作!

あちらにいる鬼(☆☆☆)
瀬戸内寂聴が「寂聴」になるきっかけとなる話を、
彼女と浮気した男の娘さんが書いた小説を基に映画化したのが今作。
まぁ、この男(豊川悦司)も「愚か者のブルース」の主人公に劣らぬ
くずオブくずなんですけど、それでもいちおう妻子の生活の面倒は見ている分マシか。
それよりも、このくず男の奥さん(広末涼子)というのが、
実に肝の据わったお方で、並の男では絶対太刀打ちできないタイプのお方。
よくこれほどの女傑を向こうに回して女遊びしてたというか、
これほどの方だからこそ「男の甲斐性」と割り切って遊ばせていたのか…。
寂聴がいないと成立しない話なんだが、
やはり、あのお母さんの娘さんが原作を書いてるだけに、
若干視点がそっち寄りな気もするが…。

警官の血(☆☆☆☆)
日本でもドラマ化されてる、佐々木譲氏原作の同名小説の韓国映画版。
小説未読だが、けっこう再現度は高そう。
「声 姿なき犯罪者」は(元)警官が普通に事件を解決するパターンだけど、
今作は基本的には内幕もの。
とはいえ、こちらも大陸国家らしく話のスケールがデカい。
日本は、やはりいろいろと小さくまとまり過ぎ。

母性(☆☆☆☆)
湊かなえ作品は、相変わらず人間の業が深いし、
どんどん騙しのテクニックが上がってる。
今作では、親子三代の話が語られるが、
真ん中の世代に当たるルミ子(戸田恵梨香)のポンコツぶりに注目であろう。
作中で「女性には母と娘の2種類が存在する」というセリフが出てくるが、
ルミ子はまさに「娘」属性の典型なのだろう。
ただ、ルミ子の母親(大地真央)も
「そこに愛はあるんか?」というより
愛があり過ぎて「溺愛」に近いものがあるだろう。
それがある意味ルミ子を「娘」たらしめたとも言えるわけで、
その辺の距離感て本当に難しいよね。
ミステリーとしての出来はもちろん、
「家族としての愛の注ぎ方」や「家族と他人の狭間としての距離の取り方」など、
考えさせる要素の多い作品だろう。

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