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映画レビュー 2024/01/02~2024/01/11版

(1/2)ハンガーゲーム0(☆☆)
相変わらず原作未読のため、
どこをどう「拾い」、どこをどう「捨てている」のかわからないが、
多分原作の良い部分を拾い切れてないのではないだろうか。
イマドキのネットゲーム的なノリ
(運営側の都合で簡単にルールが変わる)は相変わらずだし、
そもそも元の三部作の悪役だったコリオレイナスを
主役に据えて少しは物語に深みを与えようと思ったのかもしれないが、
結局それも肝心のストーリーラインが弱いせいで
思ったように機能していない。
テンポも良くないので、長い作品を忌避する若者も食いつかないだろうし。

(1/4)春の画 SHUNGA(☆☆☆)
春画が廃れた根本的な理由は、
「西洋に追い付け追い越せ」路線の明治政府にとって、
道徳的に都合が悪かった、というのはもちろん大きいだろうが、
「自国の文化全般に対する自己肯定感の低さ」も
あるのではないだろうか
(寺田寅彦が言うように「複雑な日本の自然に対する、日本人の服従的態度が
芸術の使命の幅員を狭めた」というのもあるだろうが)。
いまだに文化文物に対する日本の評価が不当に低いのは、
こういったことのなれの果てとも言えるだろう。
「春画と日本人」の時も言ったが、
春画は表現上のタブー扱いをされているため、
年齢制限のかけられる映画館という舞台を用意するしかない。
そういう意味では今作も「映画らしい映画」なのではあるが、
タブーゆえの縁遠さだけはどうしても拭えない。
やっぱり「特殊なシュミ」なのかねぇ…。

(1/7)シャクラ(☆☆☆)
アクション映画としては申し分ない出来。
しかし、もう「今年のテーマ」にしようと思ってる感じの
「原作のどこをどう拾い、どこをどう捨てるのか」がねぇ…。
映画だから時間の制約があるのは仕方ないが、
制作側が納得いかなければ3時間ぐらいの
映画にしてしまってる作品など、今ではいくらでもあるだろう。
もっとも、アクション映画はスピード感が命なので、
時間を延ばしてまでストーリーを盛り込むのは
決して有利とはいえない、というのも理解できる。
しかし、「中国人がいれば、必ず彼の小説がある」とまで言われる
金庸の原作である。
今作は読んでなくても「端折ってるなぁ」とわかる、
ストーリーラインの理不尽さである。
ゆくゆくは「中国武侠ユニバース」に育て上げたい、
みたいな野望もあるとかないとか言われてるが、
時代的に「水滸伝」みたいな超大作もあるわけだし、
こんな端折ってやってるようじゃ、理解は広がらないと思うけどなぁ…。

(1/10)ほかげ(☆☆☆)
最近フィーチャーされることの多い「戦後間もなくの混乱期」モノ。
今作の視点は子供(しかも孤児)目線である。
ただ、塚本信也作品らしく、泥臭くてかつ難解。
その、子供の「成長譚」と取るのが王道っぽいかなとも思うが、
それにしては少々ノイズも多い。
そういうノイズも含めて「戦後の混乱」なのだろうが、
漫然と観てると雑音だけしか聞こえて来なくなるかも…。

(1/10)新根室プロレス物語(☆☆☆)
今のワシよりも若い年齢で、「勢い」でプロレスのリングを買って、
根室みたいなど田舎でプロレス団体まで起こしちゃうんだから、
まぁすごい人っちゃすごい人なんだけど…。
こういう人は、ホントはそこここにいるはずで、
運良くメディアに取り上げられれば、
こうやって映画とかにもしてもらえるってだけの話なんだよね、ホントは。
つまり、メディアの都合なわけだが…
(それをホイホイ観に行くワシなんだが…)。
ただ、「興す情熱」「続ける情熱」を持ってる人って、
実際今の日本ではそう多くないかも知れないねぇ。
題材がプロレスなだけに、やっぱりアントニオ猪木の
「バカになれ」とか「元気があれば何でもできる」みたいな名言が
思い起こされるわけだが、それを言い切れる人も、
今の日本には決して多くないかも。

(1/10)コンクリート・ユートピア(☆☆☆☆)
「民主主義vs権威主義」とか言われるイマドキに、
ある意味ぴったりな作品
(まぁ、ヒトラーやプーチンも「民主的な投票」から生まれたんだけど)。
改めて考えると、現代の大統領制においてさえも、
我々一般大衆に与えられている選択肢は非常に少ない。
しかも、氏素性についてもそう多くの情報を与えられていないのが現実である。
それを、ニュータウンみたいな決して広くないコミュニティで表現する今作は、
なかなかの意欲作だとは思う。
ラストは評価の分かれるところ。
ああいう出自の住民代表(イ・ビョンホン)ではあるが、
コミュニティのためにしっかり体を張っているわけだから、
そこはそこできちんと評価しないといけないんだけど、
自分の作ったルールに足元をすくわれる様は、ある種古典的でもある。
住民にしたって、盲従する者、こっそり、あるいは公然と背信する者もいるが、
大多数は上位者に丸投げする者である。
だから、今日は左に、明日は右に、といった具合に簡単になびく。
そういう縮図をちゃんと表現してるのもすごいと思う。
邦画にも「日本以外全部沈没」という、似たようなシチュエーションの作品はあるが、
実に牧歌的というか、まぁギャク作品だからねぇ…。
今作は非常にシリアスだし、日本人なら思い当たる節がいくつもあると思うんだけどなぁ…。

(1/11)エクスペンダブルズ ニュー・ブラッド(☆☆☆)
アクション映画としては、コレで良いのかもしれないけど、
冒頭のやり取りはなるほど女性に対する配慮に欠けてると言われても仕方ないかも。
まぁ、古いコミュニティのオッサンたちが主役格なんだから仕方ないけど。
しかし「ニュー・ブラッド」と言ってる割には、
若手陣の活躍ぶりがあまり目立たなかった。
一番おいしかったのは、悪役として、ジェイソン・ステイサムと
マッチアップを果たしたイコ・ウアイスだと思う。
一方、トニー・ジャーは相変わらず向こうでは
イマイチな役しかあてがってもらえてない様子。
ジャッキー・チェンみたいに中国に逃げちゃうかもよ。
あとラストは…、うん…、あまり好きじゃないんだ、ああいうの。

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