鑑賞映画レビュー 2021年2月分

☆の数は、一応絶対評価で付けてますが、
後々若干の変動の可能性があります。

アウステルリッツ(☆☆)
もともとAI研究をしていたという、セルゲイ・ロジニツァが監督する
ドキュメンタリー、その①。
現代のダークツーリズムをシニカルに眺めているのだが、
ノーナレの録って出しなので、正直眠い。

国葬(☆☆☆)
セルゲイ・ロジニツァ監督のドキュメンタリー、その②。
スターリン死去に伴う国葬関係のアーカイブを再編集しているもの。
当時のモスクワやソヴィエトの内情を映し出しており、
資料的価値としても貴重。
でも、この前後に「スターリンの葬送狂騒曲」などでも描かれている
ドロドロの権力闘争が繰り広げられており、
それを考え合わせると、いろいろ考えさせられるものがある。

ヤクザと家族 TheFamily(☆☆☆☆)
早くも2021年ベスト10クラスの作品登場。
後述の「すばらしき世界」と被る部分については後述するが、
警察に追い込まれていくヤクザ界隈をしっかり描いてるのが独自の良さ。
そういう意味では、あのラストは必然性があり、
「すばらしき世界」と違う哀愁が漂う。

シリアにて(☆☆☆)
ヤクザの世界すら生ぬるいと思わせる、
シリアの状況を、内側から描く作品。
最近のパターンとして、最後まであえて描かないラストだが、
下手に描くとかえって嘘くさくなるので、
今作に関してはこれでいいと思う。

心の傷を癒すということ(☆☆☆)
在日の精神科医安克昌(故人)をモデルに、
彼自身も被災した阪神淡路大震災の被災者の
メタンルケアの顛末などを描いた作品。
在日問題も描かれてる一方、あくまでも中心は被災者ケア。
暗にな解決法に頼るのではなく、対話や観察に基づき、
「心に寄り添う」ケアに取り組んでいるのが伝わる。
尾野真千子さん、「ヤクザと家族」に続けて2度目の登場。
しかも、ほぼ同じ役回り。

戦車闘争(☆☆☆)
1972年というから、ワシが産まれるより3年ほど前に、
相模原市で実際にあった市民による100日ほどの闘争。
こんなことあったなんで全然知らんかったよ。
日本の戦後史もまだまだ侮れないね。
この頃から日本の政党はどうしようもないっていうか、
いや、個々人としては気骨がある人もいることはいるんだけど、
組織としての「政党」はもう全然ダメね…。

イルミナティ 世界を操る闇の秘密結社(☆☆)
まじめな検証モノ。
人間は「秘密」っていう響きが好きなんだよ、きっと…。
そういう意味では、昔から「オモテ社会」に対する不安やら不満というのは、
厳然と存在していて、
その鬱憤を晴らす存在として「秘密結社」が創造されてる、
っていうのはあるんじゃないかな、とは思ったけど、
映画としては正直退屈。

哀愁しんでれら(☆☆☆)
「親は自分が子供のころに受けてきた養育以上のものを
自分の子供に与えるのはそう簡単なことではない」と、
親でもないワシにもわかりやすく教えてくれる作品。
で、意識的に「自分は良い親」になろうとすると、
逆方向に振れるだけで結局極端な教育に走ってしまうというね…。
ラストは地味にえぐい。
石橋凌、「心の傷を癒すこと」以来2度目のお父さん役で登場。

名も無き世界のエンドロール(☆☆☆)
情報を小出しにして、じわじわ核心に迫っていく、
という描き方自体は結構うまく行ってるんだが、
その行きつく先というのがなぁ…。
まぁ、愛が人を狂わせる、
という安易なオチの付け方もできるにはできるんだろうが、
正直あそこまでしてやる価値のある相手だとは思えないんだが…。

すばらしき世界(☆☆☆☆☆)
コチラも2021ベストテンクラス確定の作品。
実話ベースなので、「ヤクザと家族」より主人公の作りこみが深い。
ただ、服役中に暴排条例が強化されて、
シャバに出てくると対応できない、という意味では「ヤクザと家族」と同じ。
そういう教育をしてない刑務所も問題あると思うが、
三上(今作の主人公、役所広司が演じる)ぐらい長く刑務所にいると、
刑務所の社会が三上にとっての社会になってくるし、
刑務所に入る以前も相当好き勝手やってきたんだろうから、
特段の教育もなく外に出すのは危険この上ないと思うんだが…。
まぁ、そこは市井の人々が温かく迎えてくれましたよ、
っていう「人頼み」があたかもいいことみたいに描いてることも問題だし、
心臓に爆弾を抱える三上にとって、
「ニューノーマル」がいかにストレスフルな環境なのかを
しっかり描いているのがむしろ好感。
そういう意味では、こちらもラストは必然といえるのではないだろうか。

ある用務員(☆☆)
アクション自体は悪くないが、物語自体が薄いので、
悪いい方をするとただただ主人公を痛めつけるだけのクライマックス。
まぁ、それだけ。

ノンストップ(☆☆☆)
「奥様は取り扱い注意」的な内容。
「ある用務員」の後なので、アクションは素直にコッチの方が上といえる。
南北朝鮮の状況を一応盛り込んではいるが、
「ザ・B級アクション」な内容。たまには、こういうバカなのも良い。

ファーストラヴ(☆☆☆☆)
予告編やタイトルのイメージで観に行くと
間違いなく「思ってたんと違う」ってなる内容。
意図的にミスリードさせるように仕掛けてきている。
今までの邦画の予告編とは一線を画するいい出来。
内容も良いが、タイトルのイメージで行くと「重い映画」を
観させられる羽目になるかも…。

聖なる犯罪者(☆☆☆)
常々思うが、異常性交を禁じておきながら、
修道院や神学校を男女共学にしてないのは、絶対におかしいと思うんだよね。
今作の主人公は服役者なので神学校に入れないのは仕方ないかな、
とも思うが(意外と不寛容だな、とも思うが)、
なりすましとかしちゃうようなヤツだから、
少なくとも彼個人は神学校に入れちゃダメだよね。
でも、思ったほどちゃんと神父やっちゃうし、
一度挫折してるだけあって言葉にも深みがある。
プロテスタントなら「マシンガン・プリーチャー」みたいな実例もあるので、
カトリック特有の問題なのかも…。
ラストは、先にも述べた「最後までしっかり描かない」スタイル。

モンテッソーリ 子どもの家(☆☆☆☆)
19世紀末から20世紀初頭に考え出された
欧州の幼児教育のスタイルの紹介といった感じ。
6歳ぐらいまでの教育が大事だって話は昔から知っていたが、
脳科学の確立していない時期から実証的に
それを教育に取り込んでいるのには、本当に驚いた。
「森発言」の後に観た映画なので、「多様性」の養い方が日本とは全然違うな、
とも思ったし、やはり「教育」の力は偉大だ、と思った。

藁にもすがる獣たち(☆☆☆)
日本の小説が原作の韓国映画。
ちょっと韓国テイストが強すぎるが、
邦画でやろうとするといろいろ無理がある描写があるのかも。
「カネは天下の回りもの」を地で行くエンディング。
原作小説が読みたくなった。

痛くない死に方(☆☆☆☆)
在宅医療のリアルを、実際に携わってる医師の原作と、
製作の関与によって生まれた作品。
是非を論ずるのはあまり良くないと思うが、
やっぱりワシはああなるまで生きていたい、とは思わない。
「心の傷を癒すこと」以来の柄本佑が医師役で登場。
ラストが地味に圧巻。

鑑賞映画レビュー 2021年1月分

いつまでもレビューを書かないのも良くないので、
1か月分ぐらいでまとめて上げていくこととします。

『無頼』(☆☆☆)
井筒和幸監督が久しぶりにメガホンをとった作品。
『ヤクザと家族』(1/29より公開)の予習というか、
見比べる意味でも観に行ったのだが、内容自体は悪くない。
ただ、『ヤクザと家族』が暴対法に追い込まれる様をしっかり描いてる
(ように予告編を見る限りは見える)のに対し、
今作はうまく立ち回りすぎてて「軟着陸」しに行ってる感じが、
ザンネンと言えばザンネン。

『新感染半島 ファイナルステージ』(☆)
『新感染 ファイナルエクスプレス』の続編だが、
話が無駄にでかくなりすぎ。その割に結末がありきたりで、
CGとかも雑。
『ワールドウォーZ』同様「高級なゾンビ映画」の需要って、
そんなに無いってことなんじゃないでしょうか。

『燃えよデブゴン Tokyo Mission』(☆)
ドニー・イェンが特殊メイクでデブ化して挑むリメイク作。
でも、もともとサモハンキンポーが「動けるデブ」だから
成立してた作品なのに、特殊メイクで見た目だけそれっぽくしても、
動き自体は元のドニー・イェンのままだから違和感ありまくり。
アクション自体は悪くないが、この設定にする意味がいろいろと無かった。

『日本独立』(☆☆☆)
白洲次郎を軸に「サンフランシスコ平和条約」締結までを描く作品。
何度も映像化されてる作品だけに、
差別化が難しい題材だが、今までよりは半歩踏み込んできたように、
ワシには見えた。
ただ、それがあまり面白さに結びついておらず、
結局白洲がどう活躍して、どう条約締結に結びつけたのかが
イマイチわからない。まぁ、実際こんなもんなんだとは思うんだが…。

『瞽女GOZE』(☆☆☆☆)
『飛べ!ダコタ』(2013 勝手に映画賞 最高賞)以来の「地域の良い話」の映画化。
「瞽女」自体は全国にいたらしいが、
特に新潟は今やミュージアムがあるぐらい地域に密着してる。
今作の主人公は「最後の瞽女」ともいわれる小林ハルさん。
『飛べ!ダコタ』ほどドラマチックではないが、
こういう話を発掘してきて映画とかにしていく意義は小さくないと思うんだが…。

『大コメ騒動』(☆☆☆)
『瞽女GOZE』のスケールアップ版。
日本史の教科書にも載るような大イベントの映画化。
ただ、作中で同じことの繰り返しが行われてるので、中だるみ必至。
当時の女性の在り方とかをフィーチャーしてるのはわかるが、
話としての広がりが無く、「富山の片田舎」で話が
ほぼ完結してしまってるのがザンネン。

『アンチ・ライフ』(☆)
途中で対処法がわかってしまい、一度がっかりさせられた後に、
エンディングでさらにがっかりさせられるという、
まさかの「2枚底」構造のダメダメ映画。
ブルース・ウィリスの無駄遣い、というか、
もうこういう作品にしかお呼びがかからないということなのか…。

『ルーヴル美術館の夜-ダ・ヴィンチ没後500年展』(☆☆☆)
学芸員の価値を再確認させられる映画。
日本の行われる同様の展示よりも
2段ぐらい掘り下げて考察を加えられてる感じで、
「知的好奇心」をくすぐられる。ただ、ちょっと眠い。

『ズーム 見えない参加者』(☆☆☆)
日本でも「全編ズームで撮影のテレビドラマ」やってたけど、
低予算映画とはいえアイデア勝負でカネの取れる作品に仕上げてくる辺り、
さすがハリウッド、と思わせる作品。
画角が限られてるので、仕掛けとかは確かに仕込みやすそうだが、
うまく連動させるのはそれなりに面倒かもね。

『ミッション・マンガル』(☆☆☆)
本国ではたぶん4時間以上の作品(途中表示のみ「インターミッション」が入る)。
しかし、おそらくカットされたであろう「ダンスシーン」が無いことで、
実話ベースとは言え「劣化ハリウッド映画」的な仕上がりに。
まぁ、ノーカット4時間とかとなると、それはそれでハードルが高くなるんだが…。

『KCIA 南山の部長たち』(☆☆☆☆)
朴正煕暗殺事件を実録的に描いた韓国映画。
権力を持つと人が変わってしまう、っていう話自体は洋の東西を問わないわけだが、
アメリカとの力関係含め、良くも悪くも「空気の読めない」
韓国の権力者の黄昏を描いてるという意味ではなかなかの力作。

『さんかく窓の外側は夜』(☆☆☆☆)
キャスティングが耽美的だと思ったら、原作の漫画もけっこうお耽美な感じらしい。
某漫画誌のレビュー記事見なかったら、たぶん観に行ってなかったが、
確かにバディものとしては良い出来。
続編作る気満々っぽいけど、いきなりかなり重めの話を持ってきてるので、
次作以降今作以上のインパクトを出せるかどうかが、
続きものとして生き抜く上でのカギになりそう。世界観はワシ的には好き。

2020鑑賞映画一覧&2020「勝手に映画賞」など

①2020鑑賞映画一覧(計183本)
 1月:15本
  ○シグナル100
  ○ナイト・オブ・シャドー 魔法拳
  ○ロマンスドール
  ○9人の翻訳家 囚われたベストセラー
  ○エクストリーム・ジョブ
  ○ジョン・デロリアン
  ○リチャード・ジュエル
  ○ジョジョ・ラビット
  ○パラサイト 半地下の住人
  ○ロング・ウェイ・ノース
  ○カイジ ファイナル・ゲーム
  ○マザーレス・ブルックリン
  ○フォードvsフェラーリ
  ○リンドグレーン
  ○EXIT
 2月:21本
  ○スキャンダル
  ○スマホを落としただけなのに2
  ○ねこねこ日本史
  ○Gのレコンギスタ②
  ○ミッド・サマー
  ○名もなき生涯
  ○アイリッシュマン
  ○グリンゴ
  ○影裏
  ○1917命をかけた伝令
  ○ハスラーズ
  ○グッド・ライアー 偽りのゲーム
  ○AI崩壊
  ○イントゥ・ザ・スカイ 気球で未来を変えたふたり
  ○プロジェクト・グーテンベルク 贋札王
  ○テルアビブ・オン・ファイア
  ○コンプリシティ
  ○ナイブス・アウト 名探偵と刃の館の秘密
  ○さよならテレビ
  ○前田建設ファンタジー営業部
  ○嘘八百 京町ロワイヤル
 3月:18本
  ○世界でいちばん貧しい大統領
  ○一度死んでみた
  ○ムルゲ 王朝の怪物
  ○娘は戦場で生まれた
  ○ビッグ・リトル・ファーム
  ○ハーレイ・クイーンの華麗なる覚醒
  ○三島由紀夫 50年目の真実
  ○レ・ミゼラブル
  ○スケアリーストーリーズ 怖い本
  ○私の知らないわたしの素顔
  ○イーディ、83歳はじめての山登り
  ○仮面病棟
  ○彼らは生きていた
  ○Fukushima50
  ○野生の叫び声
  ○ラスト・ディール 美術賞と名前を失くした肖像
  ○黒い司法 0%からの奇跡
  ○初恋
 4月:5本(5月はゼロ本)
  ○子どもたちをよろしく
  ○屋根裏の殺人鬼 フリッツ・ホンカ
  ○スウィング・キッズ
  ○2人のローマ教皇
  ○サーホー
 6月:17本
  ○スーパーティーチャー 熱血格闘
  ○PMC:ザ・バンカー
  ○プリズンサークル
  ○ドミノ 復讐の咆哮
  ○白い暴動
  ○ルース・エドガー
  ○ハリエット
  ○ANNA アナ
  ○21世紀の資本
  ○デッド・ドント・ダイ
  ○コリーニ事件
  ○ポップスター
  ○わたしは分断を許さない
  ○水曜日が消えた
  ○デンジャー・クロース 極限着弾
  ○エジソンズ・ゲーム
  ○ランボー ラスト・ブラッド
 7月:21本
  ○悪の偶像
  ○精神0
  ○一度も撃ってません
  ○マザー
  ○色男ホ・セク
  ○愛国者に気をつけろ! 鈴木邦男
  ○お名前はアドルフ?
  ○ナイチンゲール
  ○透明人間
  ○その手に触れるまで
  ○ライド・ライク・ア・ガール
  ○ステップ
  ○ライブ・リポート
  ○バルーン 奇跡の脱出飛行
  ○パブリック 図書館の奇跡
  ○ブラック&ブルー
  ○グレース・オブ・ゴッド
  ○プラド美術館
  ○追龍
  ○海底47m 古代マヤの死の迷宮
  ○コンフィデンスマンJP プリンセス編
 8月:16本
  ○なぜ君は総理大臣になれないのか
  ○イップ・マン 完結
  ○グランド・ジャーニー
  ○ディヴァイン・フューリー 使者
  ○ファヒム パリが見た奇跡
  ○ジョーンの秘密
  ○剣の舞 我が心の旋律
  ○東京裁判
  ○ジェクシー! スマホを変えただけなのに
  ○許された子どもたち
  ○狂武蔵
  ○グリーン・ライ エコの嘘
  ○コンプライアンス
  ○ジェイド・ダイナスティ
  ○鬼手
  ○事故物件 恐い間取り
 9月:13本
  ○パヴァロッティ 太陽のテノール
  ○はたらく細胞!!
  ○人数の町
  ○ミッドウェイ
  ○妖怪人間ベラ
  ○誰がハマーショルドを殺したか
  ○荒野のコトブキ飛行隊
  ○シチリアーノ 裏切りの美学
  ○TENET テネット
  ○ヒットマン エージェント:ジュン
  ○赤い闇 スターリンの冷たい大地で
  ○ザ・ネゴシエーション
  ○クライマーズ
 10月:22本
  ○行き止まりの世界に生まれて
  ○浅田家!
  ○劇場版BEM Become Human
  ○プリズン・エスケープ 脱出への10の鍵
  ○フライト・キャプテン 高度1万m、奇跡の実話
  ○フェアウェル
  ○星の子
  ○望み
  ○オフィシャル・シークレット
  ○マルモイ ことばあつめ
  ○スパイの妻
  ○博士と狂人
  ○はりぼて
  ○82年生まれ、キム・ジヨン
  ○ようこそ映画音響の世界へ
  ○鬼滅の刃 無限列車編
  ○朝が来る
  ○キーパー ある兵士の奇跡
  ○ソニア ナチスの女スパイ
  ○ストレイ・ドッグ
  ○スペシャルズ!
  ○ライフ・イズ・カラフル
 11月:20本
  ○ザ・ハント
  ○罪の声
  ○マイルス・デイヴィス クールの誕生
  ○異端の鳥
  ○UFO真相検証ファイル①&②
  ○ストックホルム・ケース
  ○日本沈没2020 劇場編集版
  ○ホテルローヤル
  ○ドクター・デスの遺産 BlackFile
  ○TheCave サッカー少年救出までの18日間
  ○アイヌモシリ
  ○わたしは金正男を殺してない
  ○もったいないキッチン
  ○僕は猟師になった
  ○滑走路
  ○薬の神じゃない!
  ○ブリング・ミー・ホーム 尋ね人
  ○フード・ラック 食運
  ○メイキング・オブ・モータウン
  ○アンダードッグ 前編&後編
 12月:15本
  ○アーニャはきっと来る
  ○Planetist プラネティスト
  ○ボルケーノ・パーク
  ○TheCrossing 香港と大陸をまたぐ少女
  ○ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ
  ○ザ・バンド かつtれ僕らは兄弟だった
  ○サイレント・トーキョー
  ○ヒトラーに盗られたうさぎ
  ○ジャズ喫茶ベイシー
  ○ミセス・ノイズィ
  ○天外者(てんがらもの)
  ○新解釈・三国志
  ○NETFLIX 世界制覇の野望
  ○えんとつ町のプペル
  ○100日間のシンプルライフ

②「2020 勝手に映画賞」
 (1)ベスト5(1位作=大賞)
  1位:薬の神じゃない!
   何本か観た中国産の実話ベース映画の中で、
   脚色とリアリティのバランスが良かった作品。
   「やればできるんじゃん」的な作品であり、内容も良い。
  2位:三島由紀夫 50年目の真実
   公開直前に東出昌大(今作ナレーション)の不倫騒動があり、
   いろいろと話題になった映画。
   三島由紀夫の人となりに触れられる佳作。
   あの人、ホント面白いねぇ。
  3位:フード・ラック 食運
   「どう表現するか」よりも「何を表現するか」が大事、
   ということを改めて教えてくれた作品。
   ゴーストライターが付いてるんだろうけど、
   胃袋も掴まれたし、監督のこだわりが感じられる作品。
  4位:望み
   「星の子」「朝が来る」とも悩んだが、
   普遍的な命題に挑んだ(と、ワシは感じた)意欲作。
   ただ、ラストはちょっとアレかも…。
  5位:ライブ・リポート
   洋画から1つ選ぶとして…、という作品。
   もちろん「TENET」も悪くないんだが、
   ベストでは有名作は極力挙げないことにしてるので…。
   「ジェクシー!」もそうだが、新しいモノの取り込み方が、
   アメリカ映画はやはりうまい。
   「スマホを落としただけなのに」は、「2」になって
   フツーのクライムサスペンスになっちゃったのがザンネン…。
 (2)ワースト
  ◎スパイの妻
   とにかく内容が無い。
   「731部隊」とかを知ってる人間にとっては特に、である。

③各映画館別鑑賞シェア
 (1)札幌シネマフロンティア(大手系シネコン):55本(30.1%)
 (2)ユナイテッドシネマ札幌(IMAXなども備えるシネコン):30本(16.4%)
 (3)シアターキノ(単館系):67本(36.6%)
 (4)サツゲキ
   (一度は閉めた地場系シネコン、詳細は「2019 勝手に映画賞」参照)
   :31本(16.9%)
  単館系のシアターキノがついにシェアトップに。
  コロナの影響で洋画の繰り延べの影響が大きいと思われるが、
  ドキュメンタリー映画とかの方が、正直面白いんだよねぇ…。
  一方、復活したサツゲキにも抜かれ、ユナイテッドがシェア最低に。
  「2019 勝手に映画賞」の時にも書いたが、
  コロナ云々とは無関係に立ち位置的な問題があるんだろうが、
  ススキノにTOHOシネマズ進出も取り沙汰されてるので、
  より立ち位置的に難しい舵取りを強いられそうである。

④他いろいろ
 ○コロナの影響で2012年以来の200本切れ。
   外出自粛よりも、洋画を中心とした公開延長の影響の方が大きかった感じ。
   実質お蔵入りした映画(「ムーラン」とか)もあるしね…。
 ○「『GoToトラベル』で旅行するのは批判されるのに、
   満員電車や「鬼滅」を見に行っても何も言われないのなぜ?」
   みたいな話がネット上であったが、
   そもそも映画館は「興行場法」という法律で換気を義務付けられてるみたいなので、
   この批判には当たらない、
   という話を映画館側はもっと一般向けにアピールするべきではないかと…。
   特に映画館は、人間がコンテンツでない
   (=コンテンツがウイルスを直接ばらまくわけではない)ので、
   特に安全だと思うんだけどねぇ…。
   それに、映画を見に来てる人間に
   「映画館は換気ばっちりですよ」みたいなことを言っても、
   正直あまり意味はないと思うんだよね。
   しかも、少なくとも札幌では、多くの映画において、
   ソーシャルディスタンスが維持できないほど客が入ることないし…、
   っていう話はあまり大声では言えないことだが…。
 ○2021映画始は、井筒和幸監督の復帰作「無頼(@サツゲキ)」に決まっております。

2019「勝手に映画賞」&映画反省&今札幌の映画館に起きていること

①2019「勝手に映画賞」&映画反省
 (1)映画関連の反省
  レビューを復活させるとか言っておいて、
  結局最初の10本ぐらいでストップしてしまいました。
  スマホゲーのやりすぎが原因だというのはわかってるんですが、
  スパっとやめれるほどダメダメな状況でもないので、
  だらだら続けてしまってます。
  というわけで、今年も「勝手に映画賞」はベスト&ワーストのみとなります。
 (2)2019「勝手に映画賞」
  ベスト
   春画と日本人
  選定理由
   実に映画らしい(年齢制限をしっかりかけられる)内容と
   日本の様々な闇を浮き彫りにしている点
  ワースト
   アド・アストラ
  選定理由
   無駄な死人多すぎ。そのくせイマイチなラスト…
 (3)映画館別鑑賞数(②にも関連してくる話)
  ・総鑑賞数=213本
  ・札幌シネマフロンティア(JR札幌駅直結)=68本(32%)
  ・ユナイテッドシネマ札幌(全国チェーン、IMAX&4DX有)=50本(24%)
  ・シアターキノ(札幌唯一の単館系)=58本(27%)
  ・札幌劇場(地場系のシネコン、5月で閉館)=35本(16%)
  ・札幌プラザ2・5(元東宝系映画館。現在貸館扱い)=2本(1%)


②今年札幌の映画館で起きたこと&来年の話
 スクリーン6枚を備えていた地場系シネコン「札幌劇場」が
 5月に閉館しました。
 ちなみに、まだ入ってたビルは残ってます(他テナントとの兼ね合い)。
 2018年も映画館別鑑賞シェアでトップだったように、
 割とニッチな映画といろいろやってくれた映画館だったんですが、
 一気にスクリーン6枚分の映画を他の3館でカバーするのは難しく、
 6月13本、7月11本、8月10本と鑑賞数自体も減少傾向。
 9月ぐらいから映画館間の多少調整がついたのか、
 鑑賞数も復活しましたが、終電逃さないと観れない映画があったりと、
 鑑賞環境は決して良化しているとは言えません。
 それでいて、シアターキノで早々に公開が決まっていた
 「ジョジョ・ラビット」が札幌シネマフロンティアでも11月ぐらいに
 公開予告を出してきたように、決して大きくないパイの奪い合いも起きております。
 まぁ、お互い私企業なわけですから、
 集客のためのコンテンツを揃えなければならないわけですし、
 観る側としても満員で入れない、
 なんてことになれば鑑賞機会を失いかねないわけですが、
 そうでなくても限られたスクリーン数の中で、
 こういった重複公開があまりにも増えすぎてしまうのは、
 それはそれで多様な映画の鑑賞機会を失うわけですから、
 痛しかゆしなわけですよ…。
 そこで、現在貸館扱いの「札幌プラザ2・5」を、
 「札幌劇場」の持ち会社が借り切って、
 現有の貸し館としてのスクリーン2枚にさらに2枚増やし4スクリーン体制で
 「札幌劇場」を復活させるという報道がなされました
 (2枚の増やし方については不明)。
 この持ち会社も経営母体が最近地場系に戻ったのを機に、
 札幌での映画館事業を再開させようということで今回の報道に至ったようです。
 1枚は道内でも屈指の大型スクリーンなので
 (封切館時代に「パイレーツ・オブ・カリビアン ワールドエンド」を
 このスクリーンで観た)、
 大作にも対応できるのは大きいですね。
 だた、こうなると今テナントの都合でのみ生き残ってる
 元「札幌劇場」の立つ瀬が無いというか…。
 あと、「ユナイテッドシネマ札幌」にはもうちょっと頑張ってほしかったなぁ、
 というのもありますが、集客目論見の問題もありますからねぇ。
 
 来年の映画始はまだ未定です。

この道(☆☆☆☆)

最近、結構な頻度で音楽系の映画を観ているが、今回は珍しく邦画。
『不道徳お母さん講座』という本でも触れられていた北原白秋と、
彼の詩に惚れ込んで曲を付けた山田耕筰のお話。
『不道徳〜』で白秋に関しては多少予習してたので、
前半の彼の行状は織り込み済み。
「童謡100年」を記念して作られた作品だけあって、
随所に童謡の歌詞が出てくるし、
メインはタイトル通り童謡「この道」になっている。
治安維持法や「守ろうとすればするほど壊れていく」
といったセリフに、現政権への批判めいた話が出てくるが、
基本的にはそう重苦しい話ではないので、
冬休み向けの映画と言えるだろう
(前半の白秋の放蕩ぶりは、あまり道徳的ではないが…)。
『不道徳〜』で白秋に興味を持ったのもあって観に行ったが、
与謝野家との絡みとか、より興味が深まった。
テレビドラマ向けの人物じゃないから、
小説向け(瀬戸内寂聴著の『ここ過ぎて』)の人物と言えるだろう。

ワイルド・ストーム(☆☆☆)

「B級があるからA級がある」と以前から言っていることだが、
B級映画でも惜しみなくカネを使ってくるところがハリウッド流。
CGの出来だけで言えば、
「デビルマン」や「ガッチャマン」と言った邦画なんかより相当良い。
内容的には、銀行よりもカネが集まってる政府機関から
直接カネをぶっこ抜くだけの話なのだが、
登場人物を見ると、主人公陣営にも敵役陣営にも兄弟がいる。
ココもっとフィーチャーするべきところだったんじゃないかなぁ。
それとも、脚本の時点ではそうだったのに、
「オトナの事情」で出来上がってきたのが今作なんだろうか。
要素的には悪くない
(兄弟同士の戦い、嵐が迫る中で強盗をはたらく、気象学者vs強盗団…)
と思うんだけど、「ザ・B級」にしか仕上がらなかったところが
今作がイマイチ弾けなかった原因と言えるだろう。

バグダッド・スキャンダル(☆☆☆)

結果的にサダム・フセインを排除することとなった
「イラク戦争」と前後して、
「フセインのイラク」を監視しながら人道支援しようという、
ムシのいいプロジェクトを考えた人間がいた、という話。
今作では、「一時しのぎ」と考えられていたこのプロジェクトの、
贈収賄疑惑の真相に迫る作品。
国連主導で行われたプロジェクトで、フセインも、
世界中の企業や官僚も私腹を肥やしていたという、
とんでもない話なのだが、それすらエンタテインメントにしてしまうのが、
ハリウッドの懐の深さというか…。
日本じゃ「忖度」とかがすぐに働いて、
「太陽の蓋」みたいな中途半端な作品にしかならないんだよねぇ。
とはいえ、今作とて「すごく面白い」わけではない。
まぁ、面白おかしく語るような内容でもないんだが、
かろうじてドキュメンタリーではない、という程度の出来。
大きな利権が動くところには、汚職がつきもの、という話ではある。

ホイットニー ~オールウェイズ・ラブ・ユー~(☆☆☆☆)

人生っていうのは「どれだけ生きるか」ではなく「どう生きるか」だと、

改めて思い知らされた。

一見幸せそうな家族の中で育ったホイットニー。

しかし実は、両親が仮面夫婦で、共働きで、そ

のせいで親戚や知り合いの家を転々としてて、

その中で性的虐待を受けてきたという「子供時代の闇」を内包していた。

聖歌隊を経て、親と同じショービズの世界に躍り出た彼女は、

その才能を遺憾なく発揮して「世界の歌姫」となったわけだが、

親友や父親が彼女の稼ぎを巡って暗闘。

事実上の家族経営となり、

兄弟や親戚が彼女が生み出す富にぶら下がるようになってきた。

さらに、ボビー・ブラウンとの家族生活と、

上り詰めた者が味わう孤独。

そこに忍び寄るアメリカショービズ界の闇「ドラッグ」。

エリック・クラプトンのやエイミー・ワインハウスの時も出てきたけど、

なかなかそこはクリーンにならないんだねぇ。

末期の彼女の声はある意味必聴である。

イット・カムズ・アット・ナイト(☆☆☆)

直訳すると「それは夜やって来る」となるので、

『来る』が比較対象になりうるが、

今作では冒頭で「それ」について言及(どうやら不治の病)するので、

まぁ別物と考えるべきだろう。

ただ、「それ」の恐ろしさについての言及が無いので、怖さのポイントが、

「不治の病に恐怖する人間たちの精神が病んでいく様」の方に

どうしてもフォーカスされてしまう。

そこから本筋と言うべき「不治の病の怖さ」に戻されるのだが、

具体的な対策が無い以上、「怖がってても罹るものは罹る」ので、

「疑心暗鬼の人間たちが他人とどう接していくのか」

だけの映画になってしまってる。

まぁ、それはそれで怖いんだけど、

ココまでのシチュエーションが必要とも思えないし、無駄な描写や死人も出る。

深読みすれば、

「極限の状況に慣らされて、主人公の父親のとる行動を容認している自分」に

気づくのが一番怖いのかも…。

それだけが、僕の世界(☆☆☆☆)

内容的には『海洋天堂』に近いので、

あそこまでの鮮烈さはないものの、『海洋天堂』よりも大きな話になってる

(事故で片足を失ったピアニストを立ち直らせるとか)ので、

正常進化と言ってもいいかもしれない。

コレらから観ると、『こんな夜更けにバナナかよ』なんて、

障害の性質こそ違うが、健常者から無料で労働力むしり取って

ワガママ言ってるだけに見えなくもない。

『海洋天堂』では父が死に向き合って死後自閉症の息子が

自立できるように万策尽くすし、

今作では自閉症の弟がたいした才能の持ち主で、

その手助けをする人も出てくると、フィクションならではの

やや出来過ぎな展開もあるが、

「自立のためには障害者だってカネが要る」っていう現実を直視している。

『バナナ』は、古株のボランティアの話も全然掘り下げてない

(少なくとも映画の中では)ので、実話なのに…、な出来に見えてしまう。

『バナナ』より、コッチの方が出来過ぎだが見ごたえはある。

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