映画レビュー 2024/03/03~2024/03/21版

(3/3)オスカー・ピーターソン(☆☆☆☆)
最近は映画館の音響で音楽も堪能してる者です。
アルバムは、悪く言えば「全部同じ」、良く言えば「全部当たり」という、
抜群の安定感を誇る、「4本の手を持つ男」あるいは「カナダの至宝」、
オスカー・ピーターソンのドキュメンタリーである。
現代のプレイヤーによる演奏を挟みつつ、
オスカーの過去の音源や、オスカーの人生、人柄に触れて行く。
10代から始まるそのキャリア、忙しすぎて家族生活をまともに送れず、
妻に何度も逃げられ、黒人ゆえに差別にも悩まされ、
挙句脳梗塞でキャリアどころか人生終了に追い込まれるが、
最後の奥さん、その奥さんとの間に生まれた娘さんとともにリハビリに励み、
ついには復活を果たす。実に良くできた人生である。
ここまで完全燃焼できれば本望であろう。
もちろん、過去の音源、現代のプレイヤーの演奏も実に楽しい。

(3/4)漫才協会TheMovie(☆☆☆)
現在の漫才協会の話はもちろん、いわゆる「イロモノ」の戦後史や、
漫才協会の主戦場「東洋館」の話、果ては「幽霊部員」的な芸人さんの話など、
ゆるいけどゆるくない関東お笑い界を上手いこと切り取っている。
イマドキのお笑いに物足りなさを感じてる人の方が楽しめるかも。

(3/4)落下の解剖学(☆☆☆)
観るかどうか1週間迷って、結局観に行ったんだけど、
前評判通りの前編に漂う不穏な空気である。
関与者が圧倒的に少ない「実質的密室犯罪」。
容疑者は奥さんで、唯一の目撃者は視覚障害のある息子で、
弁護するのは容疑者とわりない関係にある男性。もう関連人物が不穏。
しかも、言葉が違うし、検察側は殺人だと半ば決めつけて攻め込んでくる。
そんな中、息子に証言させるために母子は距離を取らされ…。
ラストに至るまで、爽快感ゼロで、モヤモヤ感しか残らない、
アカデミー脚本賞に相応しい作品…、
と、1ヶ月経ったワシにはどうにも言いにくいんだよなぁ。理由は後述。

(3/4)リトル・リチャード アイ・アム・エヴリシング(☆☆☆☆)
ミック・ジャガーやデヴィット・ボウイ、果てはエルヴィスすらも真似たという、
「ロックンロールの源流の一つ」リトル・リチャードのドキュメンタリー。
「黒人」というだけで厳しい差別を受ける時代において、
彼はなおかつ「ゲイ」でもあるという、厳しいパーソナリティを持って生まれた彼だが、
陽気なキャラを演じつつ、後にエルヴィスもカバーする
「トゥッティ・フルッティ」でデビューすると、
大胆なパフォーマンスでファンを掴んで行く。
一方で、黒人であるが故にレコードの売上は思うように伸びず、
カバー先(エルヴィスやパット・ブーン)の方が売れるという、
彼にとっては心身穏やかじゃない状況が続く。
一時ショウビズの世界から身を引き、ゲイであることを隠して牧師をやるが、
暮らし向きが良くなるはずもなく…。
とはいえ、冒頭に述べたように、彼の影響を受けたミュージシャンは数多い。
言うなれば、彼は早すぎたのだ。
多様性が叫ばれる今、改めて取り上げられるべき人物の一人だろう。

(3/4)マッチング(☆☆☆)
土屋太鳳演じる輪花がチョロすぎてちょと萎えるが、
それ以上に彼女の周囲の人間たちがいちいちタチが悪過ぎる。
まぁ、日本人が総体として他者を信用しやすい、っていうのも問題があるんだけど、
こういう作品を何も考えずに楽しんでるっていうのもねぇ…。
もう少し問題意識持っても良いと思うんだよねぇ。

(3/7)アーガイル(☆☆☆)
「キングスマン」と同じ監督の、というより「同じユニバース」の作品、
とか言ってる時点で既に少し問題がある作品。
英国系スパイフィクションの両極「007」と「オースティン・パワーズ」が
ともに機能してない状況なので、その中間勢力がいろいろ出てきてるが、
キングスマンユニバースは基本的にフィクションで、ヴィジュアルも若干ケバい。
作中でもネタにしてるが「忍者服を年中着てる忍者など存在しない」のである。
かえって目立ってしょうがない。
それを「キングスマン」以上に堂々とやってるので、
物語の構造的に言っても若干やりすぎ。
そして、今作も騙す陣営がタチ悪い。
まぁ、主人公にもそれを覆す秘密があるわけだが…。
世の中がきな臭過ぎて、
スパイフィクションがリアルに負けちゃってるっていうのもあるのかもだけどね…。

(3/8)ディス・マジック・モーメント(☆☆☆)
国内で活動するマレーシア出身のリム・カーワイ監督が、
日本全国のミニシアターを巡るドキュメンタリー。
ミニシアターは、独立資本系ばかりなので、
純粋に作品性を評価して上映作品を選んでることが多い
(各地の事情でそうでない作品もあるが)が、
それが周辺住民から評価されて、鑑賞に来てくれるかはまた別の話。
ワシは興味があればわりと何でも観に行くクチだが、
世の中はそうじゃない人の方が多いだろうから、集客に各地苦労してる様子。
今は配信もあるから…、なんて話も当然あるだろうが、
「色数の多すぎるいろどりは、人の目を見えなくする(老子)」なんて言葉もあるから、
埋没する可能性も高い。
まして、音響などを考慮すると…、映画館という場所で限られた期間にしかやってない、
という希少性も大事にして行きたいと、ワシは思うんだけどねぇ。

(3/11)ゴールドボーイ(☆☆☆)
アジア最高峰ドラマの原作小説を日本向けにローカライズして映画化した今作。
「やべー大人」と「やべー子ども」の駆け引きなんてのは、
国産小説では確かにそうそう見られるものではないが、
ラストまであまり日本映画らしくない(最近は全く無いわけではないが…)
モヤモヤendにしなくてもよかったのでは…。
今の時代、子どもだからって無条件で信用しない方がいいよ、って話。

(3/13)ドッグマン(☆☆☆)
「リトル・リチャード」の中で
「クィア(本来蔑称だし訳しにくい言葉だが、あえて言えば「変態」)」
という言葉が出てきたが、
今作の主人公は異常な家庭環境から這い上がるために
そういったコミュニティに近付いた、とも言える。
下半身が不自由だが犬とコミュニケーションが取れる、
という特殊能力(?)と記憶力で裏社会に地歩を築いたが、
ギャングに目をつけられ…、
という状況でソーシャルワーカーに自分の半生を語り、その再現映像が流れていくのだが…。
主人公は悪い人間ではないが、
家庭環境ゆえか人間不信だし何より犯罪者(まぁ仕方ない面はあるんだが…)。
まして、ギャングに目をつけられたわけだから、
筋としてはこういう話になっていくのは仕方ないが、道具立て以外に目新しい要素は少ない。
まぁ犬ちゃん達が健気だねぇ、ってだけの作品。

(3/18)デューン 砂の惑星 パート2(☆☆☆)
パート1よりさらに大仕掛けになったが、基本的には3部作の真ん中で締まりの悪い結末。
そして主人公ポール(ティモシー・シャラメ)がまあまあクソな感じに
仕上がり始め(どうせもう一つ2つ転がる話なんだろうけど)てるので、主人公も魅力半減。
何より「スターウォーズ」とか「スタートレック」とかを
さんざん通り過ぎてきた人間からすると、「今更感」がどうしても漂ってしまうのである。
パート3、まあ観ますが…、あまり期待しない方が良いのかな。
今までもそんなに期待してないけど。

(3/19)Will(☆☆☆☆)
まぁねぇ、きっかけなんてホントのところ何でも良いんですよ。
今作に関して言えば、「猟師もやってる俳優東出昌大」
のドキュメンタリーっていうのがとっかかりだったわけですが、
例えば我が郷北海道では鹿や熊が人里に平気で降りてくる現状があるわけです。
そういう業界でもある意味広告塔にされる「東出昌大」だったり、
猟師が狩った動物もおそらく食品衛生法とかの兼ね合いで、
喰われてるのは全体の1割ほどという現実(まぁ食中毒怖いしねぇ)、
あるいは「食べることは命をいただくこと」という現実とどう向き合うか。
そういうことを、こういう作品から突然向き合う羽目になるというのがねぇ…。
なかなかの拾い物。

(3/19)マイホームヒーロー(☆☆☆)
テレビ版からの続きではあるが、あらすじは最初にやってくれるし、
作中でも必要に応じて出てくるので、いきなりでも大丈夫。
でも、主人公鳥栖哲雄(佐々木蔵之介)と同級生だった
正義漢の暴対班刑事(立川談春)が死んだ辺りから、わりと話が見えてしまったので、
警官になった娘さん(齋藤飛鳥)不憫やなぁ、ぐらいな感じになってしまった。
まぁ、哲雄自身過去の罪に対する呵責があるので、
迷いながら真相に迫ろうとするんだが、まぁラストの落とし所はあんなもんでしょう。
ただ、あまり家族である必然性が無いのがなぁ…。
アメリカでリメイクしたら、どうなるんだろうかなぁ…。

(3/19)ボブ・マーリー(☆☆☆)
コレの前に「ナワリヌイ」の追悼上映も鑑賞したんですが、
まぁそれだけなのでノーカウント。
「Will」同様、とっかかりなんてホントは何でも良い、な作品。
まず、タイトルに偽りあり、って話。
基本的には、1979年7月の「第2回レゲエ・サンスプラッシュ」の模様を
数人のアーティストにスポットを当てて編集したもの。
分量的には3グループほぼ一緒なので、
ボブ・マーリーを特にフィーチャーしてる作品ではない。
まぁ、有名だからタイトルにしたんだろうけどね。
まぁ、まんまと引っかかったワシなわけですが…。
その代わり、「レゲエの精神性」みたいなものを、
当地のアーティストが掘り下げてくれてるので、
レゲエに対する理解が深まる作品に仕上がってる。
ボブ・マーリー目当てで観に行っても良いんじゃないかな、って作品。

(3/19)12日の殺人(☆☆☆☆)
「落下の解剖学」が☆x3止まりである原因の作品。
何と言っても、今作は実話ベースなのが強い。
結局、事件の捜査をしてるのは「人間」であるということが今作の、
いや全ての事件捜査のキモである、ということを再認識させてくれるのだ。
しかも、今作で捜査してる刑事はほとんどが男性。
これは洋の東西を問わないだろうが、
現実の警察も多くはいまだに男社会な所が多いだろう。
そういう環境で、今作のような被害者が出て、関係者の多くが男性だったら
「被害者は尻軽女」みたいな結論に達するケースが多いのではないだろうか。
「落下の解剖学」でも検察側の先入観に基づく尋問が続くが、
真相究明においてこの「先入観」というものの厄介さを
改めて思い知らされる作品となっている。
今作が下敷ききした事件はいまだ未解決らしい。
作中の描写が正しければ、事件発生から結構な年月が経過している。
真相究明は…、ちょっと難しいかな。

(3/20)カウント・ミー・イン(☆☆☆☆)
ドラマーにフォーカスを当てたドキュメンタリー。
ラストのセッションはとにかく圧巻である。
現代のプレイヤーが影響を受けたドラマーの凄さや、
ドラム専門店の店主(元ドラマーでもある)、
さらには現役プレイヤーの「初めてのドラム」話や、
一般の子たちの「初めてのドラム」の実に無邪気な映像など、
意外と気楽に観てられる異色の仕上がり。

(3/21)変な家(☆☆☆)
もともとの意味と違う「変な家」の話に仕上がった今作。
そういう点でも賛否両論ある作品になったが、
本来の「間取りの面白さ」がそこまで活かされてない、
という意味では残念かも。
商業的にはこういうアプローチの方が正解なんだろうし、
確かに面白く仕上がってるとは思うが、
「セクシー田中さん」事件以降ということを考えると
「コレで良いのか?」「原作者はどう思ってるんだ?」
とかいった雑音が混じることもまた確かだろう。

映画レビュー 2024/02/21~2024/02/28版

(2/21)フレディ・マーキュリー The Show Must Go On(☆☆☆)
「ボヘミアンラプソディー」でも触れられていた、
フレディ・マーキュリーのセンシティブな部分に、
特に後半の大部分を割いて触れられており、
「性の多様化」が謳われる現代とフレディ・マーキュリーのありようを
見て行く上でよくできたドキュメンタリに仕上がってると思うが、
むしろもう少し時間をかけて深掘りしても良かったのでは…、
とも思う一方、やはりセンシティブな話だし、
当事者がみんな死んでるわけでもないので、
触れられない部分とかもあるのかな、とも思ったり…。
まだまだ難しい話題なのかも。

(2/21)風よ あらしよ 映画版(☆☆☆☆)
今年の大河ドラマの顔、吉高由里子が主役を務める映画…、
と思ったら2021年にNHKーBSでやったドラマの再編集版。
まぁ、題材が題材なので、地上波でやっても
そんなに盛り上がらなかっただろうなぁ、とは思うが…。
ただ、最近日本の近現代史に興味のあるワシとしては、実に興味深い内容。
当時の世相として、「自由」と「男権」の二項対立や、
「自由」と「国家」のせめぎ合いがあり、
一方で社会主義っぽいことを言いながら自由恋愛してみたり…、
と良くも悪くも人間臭い人々が出てくるのが面白い。
現代って、折り合い重視で面白みのない人が増えてるように思われ、
そういうことでは世の中が均質化してかえって息苦しくなるように思えるのだが…。
少々苛烈な主人公ではあるが、
風穴はデカい方が風通しも良くなるのでは…?

(2/22)劇場版マーダーミステリー 探偵・斑目瑞男の事件簿(☆☆☆)
「人狼ゲーム」は知ってたけど、「マーダーミステリー」って、
もともとそういう感じのゲームの一種だったのね、知らんかったわぁ。
全編アドリブで芝居に挑む俳優を観てるのはそれなりに面白いが、
どうしても「芝居のための芝居」になってしまってる感じは否めないので、
白々しい芝居が散見される。
まぁ、観方によって評価が変わる作品かな。悪くはないと思うけど…。

(2/25)コヴェナント 約束の救出(☆☆☆☆)
米兵と、米兵に協力したアフガニスタン人通訳の物語。
米兵にとっては、「孫子」に謂う「郷導」、現地の道案内のようなものだろうが、
ある意味国、厳密に言えばコミュニティを裏切ってまでアメリカに協力するのは、
様々理由があるだろうとはいえ複雑な心境なのであろう。
もちろん、通訳には通訳で利益がある。
勤め上げれば米国での永住権が貰えるというのだ。
口約束に過ぎないだろうが、コミュニティにおける居場所がなくなれば、
移住もしたくなるだろうし、
身内に重病人などいれば、アメリカの先進医療を受けるために
永住権を欲しがる者もいるだろう。
通訳に命を救われた米兵は、そのせいで危機にさらされている通訳を放っておけなかった。
とはいえ、米兵自身も賞金首扱いされており、
米軍も彼がアフガニスタンに戻ることを許さない。
一方で、永住権の話はやはり軽い口約束であり、米兵には「通訳のことは忘れろ」と言う。
無理な話であろう。
通訳がいなければ米国に生還できなかったわけで、
今ぬくぬくと退役生活を楽しめているのは、
命がけで自分を救ってくれたあの通訳あればこそなのだから。
米兵は単身アフガニスタンに戻り、傭兵の多少の助けを借りながら、
潜伏している通訳を探し、米国に家族ごと連れ帰ろう奮戦する。
日本人なら絶対好きなタイプの話だろうが、
今の日本ではまあ起こらないであろう過酷なシチュエーション。
同じ境遇に置かれたとき、日本人はこのように行動できるだろうか…。

(2/26)ハンテッド 狩られる夜(☆☆☆)
ワンシチュエーションスリラー。
こういう「話通じない系」の悪役、最近増えてきたなぁ。
まぁ、話が通じる相手とか、行動原理が理解できる相手なら、
交渉でもなんでもして懐柔もできるんだろうが、
話が通じない相手を懐柔するのは並大抵のことではない。
まぁ、そこまで深く考えない方が良い作品なのかもしれんけど。
悪役の正体が最後まで明かされないままだし、
ラストも爽快感ゼロなのであまり積極的に勧められる作品ではないが、
「話の通じない相手とどう向き合うか」を考える上では良い教材といえるかも。

(2/26)ネクスト・ゴールズ・ウィンズ(☆☆☆)
2014年に公開された「ネクスト・ゴール」(観たかったけど日程が合わず未見)
というドキュメンタリーをエンタテインメント映画化した作品。
商業映画化してる分、メッセージ的な部分に多少重きを置いているが、
派遣された監督にとっては「再起の物語」であり、
0対31で負けた米領サモアにとっては「成長の物語」と言えるだろう。
サッカーは、ボール1個と一定の広さの広場があればできるという、
参入障壁の低いスポーツである。
だから、世界中の国々が頂点を目指せるわけである。
しかし、そこにばかり血道をあげていると、
「しょせんゲーム」という視点が抜け落ちてしまう。
「まず楽しむ」ことの大切さを今作では説く。
緊張は大事だが、緊張しすぎれば思うように体は動かないし、
逆に緊張が無ければ緩んでしまいこれもまた正しい力が発揮できない。
適度に緊張し、緊張を飼いならすことで、
思うように体を動かし、ベストなパフォーマンスを発揮して、
楽しむことができるのであろう。
結果を求められるとなかなか楽しめないのも頷ける。

(2/27)その鼓動に耳をあてよ(☆☆☆☆)
ドキュメンタリー制作に定評のある東海テレビ制作のドキュメンタリー。
今回は救急病院に密着である。
港や工場地域にある救急病院。
以前から救急対応に定評のある病院であったようだが、
一方で医師のなり手としては不人気業種の一つである救急医。
そんな救急病院で奮闘する医師や看護師の様子を活写しているが、
一方で私生活にあまり充実感は観られない。
私生活だから踏み込みにくい、という面は当然あるだろうが、
そういうことでは不人気業種になってしまうのも致し方ないとも言える。
人不足だからなかなか取り組めないという面がある一方、
人不足で忙しいというイメージがあまりにも先行すれば、
不人気ぶりにさらに拍車もかかるだろう。
その辺りの踏み込みが、少々甘かったかも…。
ただ、医師の実態を理解する上では、悪くない出来だとは思う。

(2/28)犯罪都市 No Way Out(☆☆☆)
「マ・ドンソク無双」な今シリーズ。
今回も当然大暴れである。
こういう、何も考えなくていい痛快な映画もたまには良い。
こういう作品には、小難しい要素をねじ込まない方が良い。
今作ぐらいのバランスがちょうどいいのである。
ただ、「傑作」ではない場合が多いというか、
むしろ「後には何も残らない」ぐらいが、
ストレス発散にはちょうどいいのである。

映画レビュー 2024/02/10~2024/02/12版

(2/10)私が私である場所(☆☆☆)
俳優業は今曲がり角に来ていると言えるだろう。
国内では、コロナ禍の間に複数人の俳優が謎の自殺を選択してしまった事案が有り…。
海外では、エキストラをAI化するとかいう話が出てるとか出てないとか…。
そういう中、実際の「ちょい出」ぐらいのクラスの俳優さんの
仕事ぶりの現実に迫るドキュメンタリー。
しかも、実際の映画の現場で、裏方もやりつつ俳優やってる人や、
その映画がフルオーディションでやるということで、
オーディションを勝ち抜いた俳優さん等にインタビューを行なっている。
まぁ、「演じること」自体にモチベーションを置いている方が複数人いたのは、
まぁ当然なのかな、というか、基本的に副業を持ってる方が多いので、
ギャラ以外にモチベーションがないと続けられないな、とは思う。
一方で、「お情けで役当てがわれるのは正直辛い」という俳優さんと、
実際の映画のプロデューサーさんの
「オーディションでどうしてもそれらしい人が見つからなかったら、
手近なやる気の人をあてがう」
みたいな発言はやはり気になる。
こうなると、結局こういう仕事は東京近辺にしか転がってない、
「ムラ社会」的な構図浮かび上がってしまう。
フルオーディションを謳ってる映画ですらこうなのだから、
通常の「キャスティング決めてから作品考える」みたいな作品だと、
もっと「ムラ的」な構図があからさまになって来ることだろう。
昨今の、特定の事務所や特定の個人を中心とする事件を目にするにつれ、
この国の悪弊を見せられてる気がして、ちょっとモヤモヤした作品ではある。

(2/10)ジェントルマン(☆☆☆)
結果的に「ザ・ハングマン」なんだよなぁ。
まぁ、ワシはわりと「必殺仕事人」とか「ザ・ハングマン」とか
ストライクな世代なので、こういう作品嫌いじゃないんだけど、
もう日本じゃ各方面の顔色伺い過ぎて、こういう作品出来てこないんだよねぇ。
今作は、作り自体悪くないし、
最後まで「ハングマン」的な組織の全容が掴めない、
という面白さはあるんだけど、
反面主人公サイドに感情移入しにくくもなってるのでねぇ…。

(2/11)梟-フクロウ-(☆☆☆)
韓国史劇ではあるんだが、
「ジェントルマン」観た後だし主人公が鍼使いなので、
「必殺仕事人」とか「仕事人 藤枝梅安」ぽい雰囲気に見えちゃった作品。
詳しく書くとネタバレになるからアレだけど、
主人公の設定がちょっと都合良すぎるかな。
まぁ、そのせいで面倒な立ち回りを要求されるんだけど。
朝鮮王家モノらしいドロドロ感はキライではないし、ラストも悪くない。

(2/12)身代わり忠臣蔵(☆☆)
まだコレ擦るんだね、日本て国は…。
ただ、クライマックスのおちゃらけぶりを見ると、
定番の年末にやれる感じではないわなぁ。
話としては、韓国では映画にもドラマにもなっている「王になった男」みたいな話。
まぁ、パティーンのヤツですよ。
でも、日本では地元と全体の評価が全然違う
(そのせいで評価が二転三転する)人物が少なくなく、
吉良上野介もその一人。
だから、今作みたいな作品作ると、
地元では間違いなく違和感が出てしまうのではないだろうか。
だいたい、いわゆる「忠臣蔵」はそもそもあまり建て付けのよくない作品だし、
今作は言ってみれば「二次創作」「三次創作」と言った作品。
切り口は悪くないが、あまり積極的に評価できる作品ではない。

映画レビュー 2024/02/02~2024/02/07版

(2/2)鬼滅の刃 絆の奇跡、そして柱稽古へ(☆☆☆)
新シーズン開始特番的な扱いなので、
個別の作品として特に評価する点は無し。
しかし、ご時勢的に言えば、
原作通り、何ならUfoTableの「魔術」により、
原作以上に動くことがいかに大切なことかを
改めて思い出させてくれる作品。

(2/2)蟻の王(☆☆☆)
同性愛を罪とするキリスト教国なら、
「キリスト教などそもそもあってはならない事なのだから、
それについて個別に罪や罰を用意する必要はない」
と考えたい気持ちの分からなくはない(ちょっと極端だが)。
一方で、「それは解釈によるもので、特に現代にいてその価値観はそぐわない」
という考え方もある(今作は1950年代の話だが…)。
ワシとしては、「人はパンとワインのみに生きるにあらず」と同様、
殊更に書き出すということはそれは無視できない存在だったのだろう、
と考えるので、罪とするならきちんと法制化するべきと考えるわけだが…。
閑話休題。
今作では、教師と生徒の間で同性愛に陥り、
生徒の方は矯正施設に送られ、
教師の方は裁く法が無いので「教唆罪」に問われることになる。
同性愛の矯正に関しては、
テキストのみとはいえ「イミテーションゲーム」でも描かれており、
それが原因で主人公のアラン・チューリング(ベネディクト・カンバーバッチ)は
自殺する、とされている。
今作では両こめかみに電極を付けられ、(おそらく)強めの電気を流される。
その後、出廷してきたときの痛々しい様がその矯正術の厳しさを感じさせる。
時代を考えれば、全体の絶望的な雰囲気は致し方ないところだろう。
これを今観て、我々がどう考えるのかを問うてくる作品だとは思う。

(2/2)配信犯罪(☆☆☆☆)
「宝くじの不時着」を観た時も思ったが、
やはり韓国映画のエンタメ性の高さには驚かされる。
今作ではダークウェブに近いものを扱っているが、
日本でも「児童ポルノ」が問題視されているのと同様、
犯罪的な配信が日々行われているのがホントのところだろう。
それに関わる者が画面の両側にいるのだが、
クライマックスで立場が入れ替わるのが実に面白い。
ワシは見事に騙されましたわ。

(2/5)ダム・マネー ウォール街を狙え!(☆☆☆☆)
株絡みの話なので、専門用語などが出てくるのがちょっと気になるところではあるが、
「マネー・ショート」の好守逆転的な話なので、
このテの作品に触れてる人なら何とかついて行けるだろう。
「マネー・ショート」では空売りする方が主人公側になっているが、
今作では空売りによって不当(?)に価値の下がった株で
ひと山当てようとする個人投資家たちが主役。
株も基本的にはギャンブルなので、元手が多い方が基本的には強いのだが、
チリも積もれば何とやらである。
今はSNSという、レバレッジ(テコ)になるメディアがあるので、
インフルエンサーの一声で一気にチリが積もることだってあるのだ
(それはそれで、株価操作という意味では危険なのではあるが…)。
逆に言えば、アメリカではそのぐらい株式取引が一般的だということ。
まぁ、宝くじなんかよりは幾分建設的なギャンブルだとは思うけどねぇ…。

(2/7)ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人(☆☆☆)
20世紀に入るぐらいまで、女性の名前が歴史に残ることは稀有なことであった。
まぁ、そういうご時勢だったわけなんだが…。
そんな中で、「国王の愛人」というだけで歴史に残ってるのが、
例えば今作のタイトルにもなっている「ジャンヌ・デュ・バリー」である。
今作ではタイトル通り国王(ルイ15世(ジョニー・デップ))の愛人だった時代の事を
主に描いている。
今作では幼少時のことも描いているが、
やはり娼婦たる者教養は結構重要なのである(花魁なんかもそうだったらしい)。
体を売るだけでは早々に飽きられるだろうし、
当意即妙な会話は女を買う側にとっても少なからぬ刺激になることであろう。
今作で主に描かれるのは、
王族派(+マリー・アントワネット)vs実務者(+デュ・バリー)の暗闘。
まぁ、茶番といえば茶番なのだが、宮廷内での人気は高かったのが、
お高く留まってる王族派をさらに苛立たせたことであろう。
久しぶりに宮廷ものらしい絢爛豪華な映像が楽しめるが、
ラストは結局娼婦は娼婦、と思わせる物悲しいものがある。

(2/7)罪と悪(☆☆☆)
2年前の同じ時期に「ノイズ」という
同型(田舎で起きた殺人事件を隠蔽する)の作品があったが、
警官(殺人に絡んだときは子供)が絡んでるなどの類似点こそあれ、
かなり毛色の違う、どちらかというと「受け皿としての半グレ」の話。
殺人事件の罪を一人で被った坂本春(高良健吾)は、
おかげでハクが付いたのか出所後田舎のワルを抱え込んで、
表向きはまっとうな稼業をやららせている。
一方で地元のヤクザと渡り合い、互いにけん制し合う
(警察(窓口としての佐藤刑事(椎名桔平))にともに踊らされてる?)
関係にまでのし上がった。
そのさ中、春のところに出入りしている若者が
ヤクザのカネに手を付けた挙句に殺されてしまう。
地元に帰ってきた警官吉田(大東駿介)が事件を追いかけると、
当然旧友で殺人の共犯でもある春に行きつくが…。
この2人に、ずっと地元に住んでいる農民朝倉(石田卓也)という旧友も
過去の事件とオーバーラップさせながら絡んでいくのだが、
狭いコミュニティの生きにくさという意味で言えば、
「Village」に近いというか、若干さわやかめな「Village」と言ってもいいかも。
やはり、田舎というのは法律以前にしきたりとかローカルルールが多くて、
息苦しさを感じるねぇ…。
ただ、こういうオリジナルストーリーで戦ってくれる人は
業界を盛り上げて行く上では貴重な存在だと思う。

映画レビュー 2024/01/24~2024/01/29版

(1/24)奇跡の子 夢野に舞う(☆☆☆)
つくづく人間というのは虫のいい事を言うものだと思う。
舞台は北海道の長沼という町。
アイヌ語で「タンネトー(細長い沼)」と言われていた場所である。
広島で水害があった時、その場所の元の地名が水害を示唆してたのに、
「そんなおどろおどろしい名前じゃ土地が売れない」と言って改名して売ったら、
水害さんはそういうのお構いなしに律儀にやって来た、
って話があったけど、長沼も同じことである。
2,3年に1回水害が起こる。当たり前じゃん、沼地を開拓したんだから。
明治の頃の話だから、印旛沼や手賀沼の干拓が失敗した話だって
結構有名だったと思うんだけど、まぁ懲りないよね。
で、そうやって苦闘して、ようやく人が住めるようになったら、
前から住んでた鶴とかよそに行ってしまいました。
最近の住民は、そこに鶴を呼び戻そうと苦闘する、っていうのが今作の主旨。
映像化した時点でお察し、というか、
案の定呼び戻しには成功しましたよって話なんだが、
物珍しさからカメラを持った人々が押し寄せて困ったことに…、
ってコレも当然のことで、そんなことも考え付かなかったの?、と言いたい。
まぁ、ワシかて丹頂見に行きたいけどさぁ…。

(1/24)ヴェスパー(☆☆☆)
ファンタジーだのSFだの言っても、人間を扱ってる物語なのだから、
人間の色んな部分がテーマになる。
今作で言えば、どんな所にも既得権者というのがいて、
それを脅かさせたら排除に動くわけである。
それを押し除けないと新しいモノが生み出せないとなれば、
世の中希望もクソもあったモノではない。
独特の世界観は悪くないが、
結果的にあまり建設的な話にならなかったのはザンネンかも。
(1/24)鉛筆と銃 長倉洋海の眸(☆☆☆)
カメラマンが戦争で一旗上げられたのはベトナム戦争まで。
ベトナム戦争を見てカメラマンに憧れた釧路の長倉青年が、
その世界に飛び込む頃には、ベトナム戦争は終わっていて、
請負仕事で糊口をしのぐ生活に…。
一念発起してカメラ片手に世界を回り、アフガニスタンで「パンシールの虎」と呼ばれた
カリスマ的指導者マスードに出会う。
彼を通じてアフガニスタンと繋がった長倉は、
マスードの死後も中村哲氏のように大規模ではないが、
山奥に学校を作り、教育の機会を与えている。
教育が子どもを、人を、国を如何様にも変えていくことは、
日本のこの400年を見ても明らかであろう。
教育をおろそかにする国は、長くはもたない。
そういう意味で長倉の活動は実に意義深いものと言えるだろう。
(1/24)NO選挙、NO LIFE (☆☆☆)
寝る間も惜しんで泡沫候補(今作の主人公である畠山理仁は「無頼系独立候補」と呼ぶ)
に至るまで選挙取材をするフリーランスライター畠山理仁氏のドキュメンタリー。
同年代なので「そろそろ体がもたない」と言うのはわからんではないし、
それ以上に取材したものをカネに出来てない方が、
続けて行く上ではより大きな障壁だとは、確かに思う
(彼の「全員取材できないと記事にしない」というポリシーも問題なんだが、
選挙報道なわけだからある意味仕方ない)。
「セクシー田中さん」でも大いに問題なったが、
マスコミさんの「取り上げてやるんだから薄謝でも感謝しろ」的な居丈高な態度には、
正直ウンザリする。
「やる気搾取」もココに極まれり、である。
でも、ホントはこういう人が選挙報道を支えてるんだと思うけどね。
あと、やっぱり「供託金」て選挙に立候補する上で歪んだ障壁になってると、
今作を見て改めて思った。
(1/27)ヨーロッパ新世紀(☆☆☆)
「ヨーロッパじゃ、何ヶ国語も話せて当たり前」という話がある。
理由は単純で、何かあるたびに国境線の位置が変わるから、
いつどこの国の所属になっても生活できるようにするためである。
今作では主にルーマニア語やハンガリー語で会話するが、
英語やドイツ語、フランス語も飛び交い、それぞれ色分けした字幕表示にもなっている。
さらにそんな所にアジアからの出稼ぎ労働者がやって来て、
ルーマニアの片田舎、トランシルヴァニア(ドラキュラ伝説で有名)には
違う意味で不穏な空気が漂うのだが…。
ぶっちゃけ、どこだって多かれ少なかれ排他的なのである。
我々日本人は、日本国内の状況に報道で多く触れてるので、
日本だけが排外的だと思わされてるだけで、どこだって入国審査は厳しいし、
ヨーロッパでは排外的な極右政党の台頭が目立ってる。
ユダヤ人や、今作でも触れられているジプシーなどは、
紀元前から排除対象なわけだし、そういう状況を少しずつでも理解していかないと、
世界情勢など理解できないだろう。
そういう意味では、少々説明不足な感じもあるが、
イマドキのヨーロッパの空気感を味わうのには好適と見るが、どうか。
(1/27)宝くじの不時着(☆☆☆☆)
実に韓国映画らしい韓国映画。
共産主義圏の人だって、「600万ドルと交換できる紙」を手に入れたら、
我が物としたいに決まってるのである。
欲望とは、そういうものなのである。何人も否定できないのである。
また「JSA(共同警備区域、南北朝鮮国境の緩衝区域)」の存在もクセモノで、
今作の多くはこのJSAを挟んだり、JSA内で展開される。
奪い合ったり、分かち合ったり、約束は履行されるのか、
実際に前線を離れて換金するにはどうするか等、馬鹿馬鹿しくもあり、
またスリリングでもあり、見応えのある作品に仕上がっている。
演出家の松尾スズキ氏の字幕監修もなかなか面白いが、
「DAI語」ってそんなき浸透してないですよ…。
(1/27)ザ・ガーディアン(☆☆☆)
韓国映画が続く。
こちらはどちらかと言うと「劣化ハリウッド映画」だが、
火種を作るカン理事(キム・ジュンハン)がボスの意を汲んで主人公を殺そうとする、
というありがちと言えばありがちな話。
しかし、公式でも「主人公はボスの反感を買った」と言ってるが、
実際そうでも無いような気がするんだよね。
ボスと主人公の関係はもう少し複雑だし、
カン理事が動かなければ何も無かったかも知れない
(ストーリー的には、それではダメなんだが)んだけど、
こういう話って、天皇陛下の「大御心」もそうだけど、
実にアジア的な「察する文化」を理解できないと、成立しないような気がするんだよね
(だからこそ、今作でもワシはミスリードの可能性を示唆するんだが)。
案の定、誰も幸せないならない結末を迎えるわけだが、
そういう意味ではコミュニケーションてホントに大事なんだな、
と改めて思わせてくれる作品ではある。
(1/29)機動戦士ガンダム SEED FREEDOM(☆☆☆)
「機動戦士ガンダムSEED」シリーズ、実に18年ぶりの新作。
年末年始に「SEED」本編を総集編で復習したので、ある程度スッと入ることはできた。
とは言え、数あるガンダム世界の中でもかなり「民度の低い」世界で、
冒頭からアホみたいに人が死ぬ。
まぁ、「SEED」世界はわりとそのまま「イスラエルとパレスチナ」の
対立構図に落とし込めるので、そういう意味ではタイムリーな構図とも言える。
そこまで畏まらなくても、ロボットアクションとしては良い出来だし、
テンポは良過ぎるぐらい良い。
しかし、とにかく「愛がうるさい」。
正直、色恋とかわりとどうでも良いんだよね、ワシ。
キャラクターもほぼ全員ポンコツで共感しにくいし、
歴代ガンダムシリーズからの既視感結構高めだし。
ソレでも初動が「ゴールデンカムイ」より稼げてるみたいだし
「セクシー田中さん」騒動もあるから、
アニメやマンガの実写化は興行的メリットも少ないし、
早晩滅亡するかも…、と思わせる作品。

映画レビュー 2024/01/17~2024/01/22版

(1/17)宇宙探索編集部(☆☆☆)
SFっていうよりは、オカルトっていうか、ファンタジーっていうか…。
まぁ、「インターステラー」のクライマックスだって、
SFというよりはオカルト気味だったしねぇ。
解明されてない部分が多いから、この辺の境界が曖昧というか、
「充分に発達した科学技術は、魔法と見分けが付かない(アーサー・C・クラーク)」
とも言うからねぇ。
爛熟の1980年代、1990年代を味わう映画と割り切って観るのが正解かも。

(1/18)カラオケ行こ!(☆☆☆☆)
ココは箇条書き。
・「真面目にバカやってる」のを見るのが、実は1番面白い
・「紅」って、良い詩なんだなぁ。YOSHIKIさんにも観てもらいたいかも
・ラストの演出は、「ジャンプマンガ」っぽくもあり「モノマネ王座」っぽくもあり、
 ちょっとあざといかも
・自分への苛立ちを他人にぶつけるのは、あまり良くないかな。
 まぁ、中学生だから許すけど。

(1/18)ビヨンド・ユートピア 脱北(☆☆☆☆)
中朝国境である鴨緑江を越えたところから、無事韓国への脱北を果たすまでを
カメラに収めた意欲作。
まず、耐え難い別れや、監視の眼を掻い潜って中朝国境を越えるのもすごいが、
実は陸伝いに非共産圏に逃げようと思うと、
なんやかんやでタイまで逃げないといけないらしく、
共産圏諸国での検問や、それを掻い潜るための過酷な国境越えなど、
12000kmを逃げ切らなければならない。
共産圏の結束はなかなかに強い(中国が睨み利かせすぎ?)のである。
支援者はというと、既に実績がある一方で、その分当局に目をつけられているため、
実働部隊として動くわけにもいかず、もどかしい思いをしつつも現場に指示を出す。
また、子供を残して脱北を果たした母親にも取材を重ねており、
実際の脱北の難しさも描き出している。
実態のわからない国なので、今作でもその難しさの一端を示しているのみだろうが、
隣国の無法の一端を知るのには好適な作品だろう。
(1/18)彼方の閃光(☆☆☆☆)
コレも箇条書き
・3時間近い(169分)上映時間。長い!
・第3部は評価の分かれるところ。要らないっちゃあ要らないかな
・中心となる第2部は「あの戦争」と現在をリンクさせる上で実に興味深い内容。
・第2部だけで完結させられる技量があれば、☆x5まで有ったかも
・でも、1番要らないのは、同性愛描写。そういうの差し込むと、ブレるのよ。

(1/22)ゴールデンカムイ(☆☆☆☆)
ラストの描写を見る限り、東宝さんかなり自信を持って送り出してる作品。
まぁ、なるほど再現性も高い(山田杏奈かなり頑張ってる)し、
最大の懸念だったクマさんもそつなく処理してた
(ちょっとチャチに見える所も無くはなかったが)。
だからこそ、あまり素直に評価したくないというか、
自分で「不死身の杉本」って言い過ぎなのよ。
すごく胡散臭く聞こえるから、コレだけはマジでやめてもらいたい。
「キングダム」は5部構成確定ということは、現状完走できないの確定だけど、
コッチは原作も終わってることだし、完走まで想定してるのかな?
でも、そうなると、何年付き合う羽目になるか…。
そして、大型シリーズを複数抱えることになりそうな山崎賢人の明日はどっちだ?

映画レビュー 2024/01/02~2024/01/11版

(1/2)ハンガーゲーム0(☆☆)
相変わらず原作未読のため、
どこをどう「拾い」、どこをどう「捨てている」のかわからないが、
多分原作の良い部分を拾い切れてないのではないだろうか。
イマドキのネットゲーム的なノリ
(運営側の都合で簡単にルールが変わる)は相変わらずだし、
そもそも元の三部作の悪役だったコリオレイナスを
主役に据えて少しは物語に深みを与えようと思ったのかもしれないが、
結局それも肝心のストーリーラインが弱いせいで
思ったように機能していない。
テンポも良くないので、長い作品を忌避する若者も食いつかないだろうし。

(1/4)春の画 SHUNGA(☆☆☆)
春画が廃れた根本的な理由は、
「西洋に追い付け追い越せ」路線の明治政府にとって、
道徳的に都合が悪かった、というのはもちろん大きいだろうが、
「自国の文化全般に対する自己肯定感の低さ」も
あるのではないだろうか
(寺田寅彦が言うように「複雑な日本の自然に対する、日本人の服従的態度が
芸術の使命の幅員を狭めた」というのもあるだろうが)。
いまだに文化文物に対する日本の評価が不当に低いのは、
こういったことのなれの果てとも言えるだろう。
「春画と日本人」の時も言ったが、
春画は表現上のタブー扱いをされているため、
年齢制限のかけられる映画館という舞台を用意するしかない。
そういう意味では今作も「映画らしい映画」なのではあるが、
タブーゆえの縁遠さだけはどうしても拭えない。
やっぱり「特殊なシュミ」なのかねぇ…。

(1/7)シャクラ(☆☆☆)
アクション映画としては申し分ない出来。
しかし、もう「今年のテーマ」にしようと思ってる感じの
「原作のどこをどう拾い、どこをどう捨てるのか」がねぇ…。
映画だから時間の制約があるのは仕方ないが、
制作側が納得いかなければ3時間ぐらいの
映画にしてしまってる作品など、今ではいくらでもあるだろう。
もっとも、アクション映画はスピード感が命なので、
時間を延ばしてまでストーリーを盛り込むのは
決して有利とはいえない、というのも理解できる。
しかし、「中国人がいれば、必ず彼の小説がある」とまで言われる
金庸の原作である。
今作は読んでなくても「端折ってるなぁ」とわかる、
ストーリーラインの理不尽さである。
ゆくゆくは「中国武侠ユニバース」に育て上げたい、
みたいな野望もあるとかないとか言われてるが、
時代的に「水滸伝」みたいな超大作もあるわけだし、
こんな端折ってやってるようじゃ、理解は広がらないと思うけどなぁ…。

(1/10)ほかげ(☆☆☆)
最近フィーチャーされることの多い「戦後間もなくの混乱期」モノ。
今作の視点は子供(しかも孤児)目線である。
ただ、塚本信也作品らしく、泥臭くてかつ難解。
その、子供の「成長譚」と取るのが王道っぽいかなとも思うが、
それにしては少々ノイズも多い。
そういうノイズも含めて「戦後の混乱」なのだろうが、
漫然と観てると雑音だけしか聞こえて来なくなるかも…。

(1/10)新根室プロレス物語(☆☆☆)
今のワシよりも若い年齢で、「勢い」でプロレスのリングを買って、
根室みたいなど田舎でプロレス団体まで起こしちゃうんだから、
まぁすごい人っちゃすごい人なんだけど…。
こういう人は、ホントはそこここにいるはずで、
運良くメディアに取り上げられれば、
こうやって映画とかにもしてもらえるってだけの話なんだよね、ホントは。
つまり、メディアの都合なわけだが…
(それをホイホイ観に行くワシなんだが…)。
ただ、「興す情熱」「続ける情熱」を持ってる人って、
実際今の日本ではそう多くないかも知れないねぇ。
題材がプロレスなだけに、やっぱりアントニオ猪木の
「バカになれ」とか「元気があれば何でもできる」みたいな名言が
思い起こされるわけだが、それを言い切れる人も、
今の日本には決して多くないかも。

(1/10)コンクリート・ユートピア(☆☆☆☆)
「民主主義vs権威主義」とか言われるイマドキに、
ある意味ぴったりな作品
(まぁ、ヒトラーやプーチンも「民主的な投票」から生まれたんだけど)。
改めて考えると、現代の大統領制においてさえも、
我々一般大衆に与えられている選択肢は非常に少ない。
しかも、氏素性についてもそう多くの情報を与えられていないのが現実である。
それを、ニュータウンみたいな決して広くないコミュニティで表現する今作は、
なかなかの意欲作だとは思う。
ラストは評価の分かれるところ。
ああいう出自の住民代表(イ・ビョンホン)ではあるが、
コミュニティのためにしっかり体を張っているわけだから、
そこはそこできちんと評価しないといけないんだけど、
自分の作ったルールに足元をすくわれる様は、ある種古典的でもある。
住民にしたって、盲従する者、こっそり、あるいは公然と背信する者もいるが、
大多数は上位者に丸投げする者である。
だから、今日は左に、明日は右に、といった具合に簡単になびく。
そういう縮図をちゃんと表現してるのもすごいと思う。
邦画にも「日本以外全部沈没」という、似たようなシチュエーションの作品はあるが、
実に牧歌的というか、まぁギャク作品だからねぇ…。
今作は非常にシリアスだし、日本人なら思い当たる節がいくつもあると思うんだけどなぁ…。

(1/11)エクスペンダブルズ ニュー・ブラッド(☆☆☆)
アクション映画としては、コレで良いのかもしれないけど、
冒頭のやり取りはなるほど女性に対する配慮に欠けてると言われても仕方ないかも。
まぁ、古いコミュニティのオッサンたちが主役格なんだから仕方ないけど。
しかし「ニュー・ブラッド」と言ってる割には、
若手陣の活躍ぶりがあまり目立たなかった。
一番おいしかったのは、悪役として、ジェイソン・ステイサムと
マッチアップを果たしたイコ・ウアイスだと思う。
一方、トニー・ジャーは相変わらず向こうでは
イマイチな役しかあてがってもらえてない様子。
ジャッキー・チェンみたいに中国に逃げちゃうかもよ。
あとラストは…、うん…、あまり好きじゃないんだ、ああいうの。

映画レビュー 2024/01/01版

○アンブッシュ(☆☆☆)
 実話ベースのテロリストもの。
 政情不安でテロリストが跋扈するイエメンに介入する
 UAEの部隊がテロリストに襲撃される話。
 地の利がある上に死角から銃弾が飛んでくる戦場の緊張感はなるほど高い。
 ただ、中東モノを観ていて思うのは、
 イスラムの宗派間の問題以前に「部族間の仲悪いトコ多すぎない?」
 としか思えない点である。
 実際に調べるともっと事情は複雑(原因は欧米諸国)らしいのだが、
 単純に「親欧米部族」と「反欧米部族」だけで対立してるわけでもないし、
 今作については、テロリストの拠って立つところが良くわからないので、
 「なぜUAE軍を襲うのか」が不分明なまま終わってしまう
 (理由らしいものを匂わせているシーンはあるが、結果的に未遂に終わるので、
 どれほどの問題になるのか曖昧なまま)。
 まぁ、大人の事情で書けない話もあるんだろうけどねぇ…。

○僕が宇宙に行った理由(☆☆☆)
 元ZOZOの社長、前澤友作氏が宇宙に行くまでの顛末を描くドキュメンタリー。
 もう少し夢のある話なのかと思ったら、
 「現代の科学水準では、まだまだ宇宙に行くにはいろいろ整える必要がある」
 という現実を突きつけられるのが、今作の主に前半。
 今作の監督もやった同行者平野陽三氏なんか、宇宙に行くために
 親知らず4本を含む5本の歯を全身麻酔して抜いてるし…。
 それこそ、プロの宇宙飛行士と同水準の身体能力と知識を身に付ける必要があるし、
 国際宇宙ステーションで不自由のない生活をするために
 国際宇宙ステーションに参加してる全ての地域で知識を得る必要があるわけだから、
 移動費や滞在費もバカにならない。
 カネさえあれば行けるというものでもないし、
 そのカネだってフツーの額ではない(一説には2人で100億かかってるとか…)。
 ただ、そういう「でっかい夢」を叶える過程を描き出しているわけだから、
 「可能性ゼロではない夢は叶う」というメッセージとしては
 充分インパクトはあるだろう。
 ただ、「ISSは世界平和の一つの象徴」と言ってしまうのは、
 時期的に言ってもちょっと不適当かも。
 2021年時点で中国が独自に宇宙ステーションを作ってるわけだし、
 作中でも帰ってきてから2か月後にロシアがウクライナに侵攻してる旨
 触れられている。
 戦後、宇宙開発は国歌間競争で成り立ってたわけだし、
 その状況は実際にはそう変わっていないようにも見える。
 あと「宇宙に行ったら人間として変わらなければならないのか?」
 という疑問には、ワシも同意したい。
 インドに行ったからって、皆が皆人生観が変わるわけでもあるまいに…。

2023「勝手に映画賞」など

①月別確定鑑賞本数
 1月:27本 2月:22本 3月:22本
 4月:24本 5月:23本 6月:17本
 7月:14本 8月:17本(「遺灰は語る」は2回視聴だが1回分でカウント)
 9月:21本 10月:25本 11月:29本 12月:19本

②映画館別鑑賞シェア
 (1)札幌シネマフロンティア(実は実質TOHOシネマズ経営):81本(31.1%)
 (2)ユナイテッドシネマ札幌(全国規模のシネコングループ):33本(12.7%)
 (3)サツゲキ(移転復活した地場系シネコン):67本(25.8%)
 (4)シアターキノ(札幌唯一の単館系映画館):76本(29.2%)
 (5)TOHOシネマズ札幌(11/30オープンの新しいシネコン):1本(0.4%)
 (6)その他(下記参照):2本(0.8%)
  ※そのほかの内訳
   ・サリサリ市場:自主上映もやってるバー。席数は少ない
   ・道教育大アーツ&スポーツ文化複合施設HUG:貸しホール

③評価別シェア(☆x5と☆x1のみ作品名掲載。他は本数のみ)
 ☆x5(8本)
  ・暴力をめぐる対話
  ・BLUE GIANT
  ・ぼくたちの哲学教室
  ・鬼太郎誕生 ゲゲゲの誕生
  ・窓ぐわのトットちゃん
  ・TILL ティル
  ・水俣曼荼羅

 ☆x4=90本 ☆x3=142本 ☆x2=18本

 ☆x1(2本)
  ・近江商人、走る
  ・リボルバー・リリー

④2023 勝手に映画賞
 (1)ワースト部門(☆x2から1作品借りてワースト3まで)
  ▼ワースト3位:レジェンド&バタフライ
   いろいろ☆x2の中にもアレな作品はあるんだが、
   ワーストランキングを見れば、この悪意に気付くはず。
  ▼ワースト2位:近江商人、走る
   歴史モノのタブーを破る「年号入れてるのにほぼほぼフィクション」。
   年号入れなきゃ「フィクションとしてそれなり」な作品でいられたのに、
   年号入れたことにより、無駄に史実感出したのがホントにザンネン。
   内容が史実だったとしても、歴史考証が全く働いてない駄作。
  ▼ワースト1位:リボルバー・リリー
   各方面からも酷評を受けているのに乗っかってる感じが出るのであれだが、
   ワースト3でも無駄に存在感出してる綾瀬はるかありき
   (正確には急遽決まった監督さんが悪いのかも)で
   作品が出来てるのが本当にザンネン。

   イマドキ、こんなアイドルムービー的なの、ホントに流行らないよ。

 (2)ベスト部門(ベスト5まで発表)
  ◎ベスト5位:TILL ティル
   洋画から選ぶなら今作。
   20世紀の出来事というのが本当に驚き。
   何より、子供を失った母親のたくましさに胸を打たれる。
  ◎ベスト4位:鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎
  ◎ベスト3位:窓ぎわのトットちゃん
  ◎ベスト2位:BLUE GIANT
   邦画アニメ作品を3作並べてみました。
   昨年の「勝手に映画賞」で「下手なCGよりアニメ全振りで良いのでは?」
   と書いたら、今年の日本の映画鑑賞傾向がまさにそんな感じに。
   ランクイン作品以外にも、安定の「鬼滅の刃」や「駒田蒸留所へようこそ」など、
   今年はアニメ映画豊作の年だった感じしかしない。
   もちろんランクイン作品はそれぞれ特徴的。
   「ゲゲゲ」は、鬼太郎誕生までの壮大な物語だけでなく、
   戦後の混迷をうまい具合に描き出してもいる。
   「トットちゃん」は、なんで今まで原作に触れてなかったんだろうか、
   と思わせるほど見事に映像化しており、黒柳徹子さんのこだわりも垣間見える。
   「BLUE GIANT」は、映像はともかく音響が秀逸で、
   今や音響目当てで映画館行ってるぐらいまで、ワシはある。
  ◎ベスト1位:水俣曼荼羅
   観終わって即決定!
   上映時間6時間以上という超大作だが、
   特に第3部は情報量が多いが、第1部&第2部を観ていないと
   処理できないので、構成的には実は無駄が無い。
   決め手が監督さんによるアフタートークというのがズルと言えばズルなんだが、
   「ゆきゆきて神軍」を経た監督さんが、
   いい感じに落ち着いて映画に取り組んだ結果の、
   この「キャラ立ちドキュメンタリー」の完成形は、
   機会があったら絶対に観て欲しい。

   鑑賞時間的に鑑賞チャンスが少ないので、チャンスに巡り合えたらラッキーかも。

⑤その他
 (1)ランキングでああは書いたが、「沈黙の艦隊」や「ゴジラ-1.0」など、
   邦画でも気合の入ったCGを使った映画が確実に出ては来ている。
   古い資産も生かし方一つだ、とは思う。
 (2)札幌にもいよいよTOHOシネマ本体が上陸。
   上映作品を見た感じでは、同族のサッポロシネマフロンティアより、
   ライバルグループのユナイテッドを狙い撃ちにしてる印象。
   そうなると、立地的にユナイテッドは今以上の窮地に立たされるだろう。
   あくまで張り合うのか、下(サツゲキ)を食いに行くのか…。
 (3)インド、韓国が少し落ち着いてきた、というかいい加減見慣れてしまった印象。
   やっぱり、ベースとなる物語が良くないとね。
 (4)そういう意味ではフランスがちょっと元気な印象。
   「暴力をめぐる対話」や「シャーク・ド・フランス」など、
   視点の面白さが目を引くかな。
 (5)年間鑑賞本数、一気に250本超え。
   その合間を縫って道外旅行に行ったりしてるというね…。
   それでいて☆x1が減ってるので、
   減らしに行くなら「後に何も残らない」系の映画を減らすしかないっぽいけど、
   「その場の爽快感が欲しい」だけで観に行ってる映画も結構あるからなぁ…。
   まぁ、観に行かないとわからない事の方が多いし、
   「観ずに批判するのは良くない」と思ってるので、
   気になったらやっぱりに観に行く方向になっちゃうんだよねぇ。
 (6)2024年は、なんとかレビューも復活させないと…。
   でも、本数とレビュー書く時間のバランスが全然取れてないんだよなぁ…。
 (7)2024年は元日から早速映画初め。
   夢の無い映画(アンブッシュ)と、
   新春らしい夢のある映画(僕が宇宙に行った理由)を
鑑賞予定です。

2022「勝手に映画賞」など

①月別確定鑑賞本数
 1月:18本  2月:26本  3月:13本
 4月:16本(レビュー未掲載の「我が心の香港 映画監督アン・ホイ」を含む)
 5月:21本  6月:17本  7月:22本  8月:28本
 9月:18本  10月:21本  11月:21本  12月:14本
   計:235本

②映画館別鑑賞シェア
 (1)札幌シネマフロンティア(大手系シネコン):58本(24.7%)
 (2)ユナイテッドシネマ札幌(札幌唯一のIMAX&4DX鑑賞可能シネコン):45本(19.1%)
 (3)サツゲキ(2022年経営主体が変わった地場系シネコン):73本(31.1%)
 (4)シアターキノ(札幌市内唯一の単館系):58本(24,7%)
 (5)上記以外:1本(0.4%)(ちえりあホール(札幌市生涯学習総合センター))

③評価別シェア(☆x5と☆x1のみ作品名掲載。他は本数のみ)
 ☆x5(7本)
  ・ミラクルシティ コザ
  ・死刑にいたる病
  ・トップガン マーヴェリック
  ・スーパー30 アーナンド先生の教室
  ・RRR
  ・シスター 夏のわかれ道
  ・The First SLUMDUNK

 ☆x4(52本)
 ☆x3(130本)(レビュー未掲載の「我が心の香港 映画監督アン・ホイ」を含む)
 ☆x2(38本)

 ☆x1(8本)
  ・ワンス・アポン・ア・タイム・イン・上海
  ・Pure Japanese
  ・大怪獣のあとしまつ
  ・海上48Hours
  ・バイオレンスアクション
  ・インフル病みのペトロフ家
  ・七人の秘書 The Movie
  ・オカムロさん

④2022 勝手に映画賞
 (1)ワースト部門(ワースト4以下はマイナー過ぎて意味が無いのでワースト3まで)
  ▼ワースト3位:バイオレンスアクション
   いくつかある殺し屋稼業映画の中で、キャストが一番豪華なものをチョイス。
   もっとこう…、こっそり生きてた方が良い職業だと思うんですけどねぇ…。
  ▼ワースト2位:大怪獣のあとしまつ
   年初から、あまりにも盛大にやらかしてくれた、
   伝説級の「クソ映画」。
   ここまでやられると、逆にワースト1位に推しにくい。
  ▼ワースト1位:七人の秘書 The Movie
   「ザ・ハングマン」的なのが今良い、と確かにワシは言いましたが、
   それこそ「ザ・ハングマン」全盛期の脚本としても十分通用しそうな古臭さ。
   誰か止めて差し上げてくださいよ、こんな企画。

 (2)ベスト部門(ベスト5まで発表)
  ◎ベスト5位:死刑にいたる病
   ワースト3全部邦画だった罪滅ぼしというわけではないが、
   阿部サダヲの怪演が光る作品。
   監督さんも今ノリにノッており、早晩邦画をスクリーンに上げて来なくなっちゃうかも…。
  ◎ベスト4位:The First SLUMDUNK
   原作者が監督&脚本というこだわりの作品。
   批判の声を一気に黙らすクオリティの高さを、ぜひご堪能あれ。
  ◎ベスト3位:RRR
   今年好調のインド映画の、有名な方。
   有名だから3位止まりなのは、「勝手に映画賞」の仕様なのでご了承ください。
   とにかく激アツ!
  ◎ベスト2位:スーパー30 アーナンド先生の教室
   インド映画では珍しい(?)実話ベースの作品。
   しかも、このアーナンド先生、今も今作で紹介されている無料塾を
   経営してるそうで、まさに「生きる伝説」に触れる好機!
  ◎ベスト1位:シスター 夏のわかれ道
   2年ぶりに中国映画がベスト1!
   とにかく大枚はたいて無駄にスペクタクル盛り盛りな作品とは一線を画す、
   「一人っ子政策」の闇を衝く佳作。
   日本も、他人事じゃないかもよ。

⑤その他
 (1)いよいよそのエンタメ性の高さが認知されたインド映画。
   ゴールデングローブ賞に輝くし、
   国別人口でも中国を抜く大市場を手に入れたので、
   もうハリウッドも放っておけない、ということだろう。
 (2)作品がこなれてきた中国も相変わらず要注目。
   大資本だけじゃない所を時々見せてくるので、
   小作であっても簡単に見落とせない。
 (3)国家的に映画製作をプッシュしてる韓国映画。
   「劣化ハリウッド」の域をまだ出ない、とはいうものの、
   ネトフリやアマプラに良作を供給してるのだから、
   「下手な鉄砲も~」的な期待値はある。
 (4)そして日本映画。
   視点自体は悪くないのに、とにかく多くの監督が
   「やっつけ仕事」で映画作ってるようにしか見えない。
   その点では井上雄彦氏みたいな「内なる情熱を叩きつけてくる」
   タイプの監督はある意味待望の存在と言ってもいいかも。
   あと、中途半端にCGに頼るぐらいならアニメまで振り切った方が
   いっそ日本らしいし、
   そうでなければ「トップガン マーベリック」や、
   鑑賞時にはあまり高い点を付けてないが「アライブフーン」みたいな、
   実物勝負みたいな作品の両極に振り切った方が、
   立ち位置が明確になってむしろわかりやすいと思うのだが…。
 (5)1月も間もなく終わりですが、
   1/27開始週の鑑賞分を全部無事に観られれば、
   実質1月だけで30本鑑賞達成となってしまいます。
   今年も鑑賞本数、あまり減りそうにないなぁ…。

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